小川さんの右胸に乳がんが見つかったのは、2022年の夏でした。 きっかけは、2年に1度の市のマンモグラフィ(乳房を挟んで撮影するX線検査)検診です。 要精密検査とされたのは左胸でしたが、乳腺外科で改めて調べると、異常が見つかったのは右胸でした。 診断は、ステージIIBのルミナールB型(女性ホルモンの影響で増えるタイプのうち、がん細胞の増える力が比較的強いもの)、HER2陰性(がん細胞の増殖にかかわるタンパク質「HER2」が少ないタイプ)の乳がん。 自覚症状はまったくなく、告知を受けてもひとごとのようにしか感じられなかったといいます。 右胸の全摘手術、8回の抗がん剤治療、ホルモン療法、そして乳房再建。 過酷な治療の日々のなかでも、帽子やウィッグ選びを楽しむなど、小さな喜びを見つけてきました。 小川さんに、発覚から診断、治療、現在に至るまでの経緯を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。 2026年6月取材。 編集部: 乳がんが見つかる前、体調に気になることはありましたか? 小川めぐみ: 自覚症状はまったくありませんでした。 きっかけは、2年に1度の市のマンモグラフィ検診です。 検査のあとに「左胸要精密検査」の知らせが届いたので、さっそく乳腺外科を受診し、超音波(エコー)検査とマンモグラフィ検査を受けました。 編集部: 検査の結果はどうでしたか? 小川めぐみ: 左胸には嚢胞(のうほう/液体がたまった袋状のもの)がありましたが、異常はありませんでした。 一方で、右胸の内側の上部に、ギザギザした影が写っていたんです。 マンモグラフィで挟める限界の位置にありました。 針生検(はりせいけん/病変に針を刺して組織を採り、調べる検査)を受けると、結果は乳がんでした。 市の検診では右胸に異常なしとされていたので、とても驚きました。 編集部: 乳がんと告げられたときは、どのような心境でしたか? 小川めぐみ: まるでひとごとのように感じ、主治医に「何かの間違いではないですか」と聞いてしまうくらいでした。 気が動転してしまい、運転なんてできる状態ではなかったので、電車で帰宅しました。 編集部: 主治医からは、どのような説明がありましたか? 小川めぐみ: 診断時は「おそらくトリプルネガティブ(女性ホルモンやHER2の影響を受けず、ホルモン療法が効きにくいタイプ)という乳がんで、ステージIくらいでしょう。 手術は必須になりますが、範囲が狭いので部分切除で済むかもしれません。 初期のがんです。 まずはCTとMRIで全身に転移しているかチェックします」といった説明でした(※)。 ※治療方針は患者さんの状態によって異なります