「イカゲーム」の日本語吹き替えや「進撃の巨人」「宇宙兄弟」などの作品で知られる俳優・声優の土田大(つちだ・ひろし)さんが10月11日、心不全のため死去したと所属事務所が発表しました。 54歳でした。 土田さんの訃報を受け、本記事では心不全になりやすい人の特徴や初期症状などについて、医師の佐藤浩樹先生に解説してもらいました。 心不全とは、心臓に何らかの異常が生じ、ポンプ機能が低下し心機能が悪化した結果、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。 それに伴い、さまざまな症状が起こります。 増悪と寛解を繰り返し、徐々に悪化していくのが特徴です。 心不全を疑う咳は、心臓の働きが弱まり肺にうっ血が生じることで起こるもので、感冒などに伴う咳とは異なります。 主な特徴を3つあげて解説いたします。 体位で症状が変化する咳 心不全では、心臓機能低下により肺に血液が滞りやすくなるので、咳が出やすくなります。 横になると、さらに血液がたまるため、咳が強くなるのが特徴と言えます。 座ると楽になることが多いです。 労作により症状が変化する咳 心不全の咳は、階段を上る、歩くなどの労作によって増悪することが多いです。 心臓が十分に血液を送り出せず、軽い動作でも肺のうっ血が悪化するためと考えられます。 安静になると改善することが多いです。 咳に伴う痰の色が異なる 心不全では、肺に水分が溜まることで、水っぽい薄いピンク色の痰が出ることが多いです。 これに対し、肺がんでは、気道が腫瘍で傷つきやすいため、出血に伴う鮮やかな血痰や茶色い痰がみられることが多く、痰の性状が異なります。 心不全による咳は、日常生活で経験することの多い、風邪をはじめとする感染症による咳とは原因が異なります。 主な原因を3つあげて解説いたします。 肺うっ血による気道刺激 心不全では、心臓のポンプ機能が低下するため、心臓に溜まった血液は送り出せなくなります。 その結果、送り出せなかった血液が肺に溜まりやすくなります。 この状態が「肺うっ血」です。 肺うっ血になると、肺の血管から水分が染み出しやすくなるため、肺の中が水っぽい状態になります。 そのため、気道が常に刺激された状態のため、軽い刺激でも咳が起こりやすくなります。 左心系の機能低下による肺内圧の上昇 左心系とは、心臓の左心房と左心室をさします。 左心不全を起こすと、肺から左心房に戻る血液が滞るようになり、肺の血管内圧が高まります。 そのため、血管からしみ出た水分が肺の組織に広がり、肺が拡張しづらくなる事が多いです。 その結果、肺が固くなった状態となり、気道内のわずかな刺激でも気道が反応しやすくなり、咳を誘発する要因になります。 肺水腫 心不全が進行すると、肺に溜まった水分がさらに増えて「肺水腫」になり、肺の内部が液体で満たされた状態になります。 この液体が気管に流れ込むことで、泡状の痰が生じ、咳が止まりにくくなります。 ピンク色の痰が出ることも少なくありません。