ソニーの「PlayStation」で、物理ディスクの時代が終わろうとしている。 ゲーマーから反発の声が上がっているものの、同社は2028年1月をもってPlayStation向けディスクの販売を終了する計画を進める方針だ。 「2028年1月以降に発売される新作ゲームは、PlayStation Storeおよび販売店において、ダウンロード版のみの提供となります。 すでに発売済みのタイトルや、2028年1月より前にディスク版として発売されるタイトルには影響はありません」。 ソニーは7月1日、PlayStation Blogの記事でそう説明した。 この変更は、消費者の動向とデジタルメディアへの移行を受けたものだという。 しかし、多くのPlayStationユーザーの考えは明らかに異なる。 一部のプレイヤーは、8月にソニーのプラットフォームを世界規模でボイコットするよう呼びかけている。 「PSBlackout」運動では、8月23日からの1週間、ゲーム機の電源を切ったままにするようゲーマーに求めている。 Change.orgで始まった「Don't Kill the Disc」(ディスクをなくすな)という署名運動にも35万人を超える認証済み署名が集まっている。 反発を受け、ソニーは株主との質疑応答でゲーマーの声に回答したが、決定を変更する考えはない。 ソニーの最高財務責任者(CFO)であるLin Tao氏は、物理ディスクの販売を終了する計画を引き続き進める意向を示した。 また、この反発が売り上げに悪影響を及ぼすとは考えていないとしつつ、計画は「慎重に」進めると述べた。 Tao氏は、この決定に不満を持つゲーマーからの意見にどう対応するかを検討しているとも語った。 ゲームは「人々の大切な思い出と結び付いている」ため、反発するプレイヤーの感情に配慮したいという。 同氏はさらに、影響を和らげる措置を今後講じる可能性にも言及した。 ただし、具体的な内容は示していない。 また、ソニーは今後のデジタルエコシステムでもゲーマーとの関係を築いていきたいと述べた。 ソニーの担当者は、コメントの依頼にすぐには応じなかった。 現在、物理ゲーム用のディスクドライブを内蔵するモデルはPlayStation5(ディスクドライブ搭載モデル)のみだ。 「PS5デジタル・エディション」と「PS5Pro」でも、外付けディスクドライブを別途購入できる。 8月のボイコットがソニーの業績に大きな影響を与えない限り、同社がこの決定を撤回する可能性は低い。 ディスクは再販できるため、ソニーに利益をもたらさない二次流通市場が生まれる。 一方、デジタル版の販売は、タイトルの発売からどれだけ時間が経過していてもソニーだけが管理する。 この変更は、ゲーマーが中古タイトルを大幅な割引価格で購入できることの多い再販プラットフォームにも影響を及ぼす可能性が高い。 多くの論者が指摘するように、デジタル版で得られるのはゲームの所有権ではなく、取り消し可能な利用許諾だ。 そのため、購入してゲーム機にダウンロードした作品をソニーが利用できない状態にすることも、厳密には可能となる。 ただし、著作権やライセンス上の問題がない限り、企業がこうした措置を取ることはまれだ。 PCゲーマーは、かなり前に同様の移行を経験している。 現在、PCゲームは「Steam」「Epic Games Store」「GOG」など、デジタル専用ストアを通じてプレイするのが一般的だ。 光学ドライブは標準的な選択肢ではなくなったため、現在の自作PCに搭載するには、あえて選ぶ必要がある。 筆者が所有する「Age of Empires III」や初代「ROME:Total War」などの古いディスク版ゲームも「Windows11」に対応しておらず、正常にインストールや起動ができない。 IGNによると、次世代「XBOX」とされる「Project Helix」にはディスクドライブが搭載されず、Microsoftは物理ゲームをデジタル化する方法を検討しているという。 そうなれば、当面の間、物理ゲームメディアへの対応を続ける大手企業は任天堂だけになる可能性がある。 「Nintendo Switch2」ではカートリッジを採用し、初代Nintendo Switch向けゲームもプレイできる。