「最近、歩き方が変わった気がする」「歩幅が小さくなった」「動きが遅くなったと言われる」。 こうした変化を年齢のせいだと思っていないでしょうか。 実はその歩行の違和感は、パーキンソン病の初期サインである可能性もあります。 加齢による変化と病気のサインは似ているため、見分けが難しいことが特徴です。 本記事では、歩き方の変化に注目しながら、パーキンソン病の進行や受診の目安について、戸塚共立あさひクリニックの河村先生に詳しく解説していただきました。 「単なる老化」と決めつけない。 脳の伝達物質が引き起こす体の異変 編集部: はじめに、パーキンソン病とはどのような病気なのでしょうか? 河村先生: パーキンソン病は、体の動きを調整する脳の働きが低下することで、様々な運動症状が現れる病気です。 代表的な症状として「手足の震え(安静時振戦)」「動作が遅くなる(動作緩慢)」「筋肉が硬くなる(筋強剛)」という3つの症状があり、これらはパーキンソン病の三徴と呼ばれています。 近年では「転びやすさ(姿勢保持障害)」を加えて四徴と呼ぶこともあります。 また、パーキンソン病は運動症状だけでなく、認知機能の低下や自律神経症状、睡眠障害など、様々な症状が現れることが分かってきており、レビー小体病を含めた「レビー小体スペクトラム」として考えられることもあります。 編集部: パーキンソン病の原因について教えてください。 河村先生: パーキンソン病は、脳内のドーパミンという神経伝達物質が不足することで起こる病気と考えられています。 ドーパミンは中脳にある「黒質」という部分で作られ、体の動きをスムーズにする役割を担っています。 このドーパミンが減少すると、体をうまく動かすことが難しくなり、震えや動作の遅さ、筋肉のこわばりといった症状が現れます。 また、ドーパミンは運動以外の働きにも関係しているため、進行すると認知機能や気分、自律神経などに関わる症状が出ることもあります。 編集部: パーキンソン病ではどのような症状が現れ、どのような流れで進行していくのでしょうか? 河村先生: 症状の現れ方や進行の仕方には個人差がありますが、多くの場合、体の片側から症状が始まるのが特徴です。 例えば、片方の手が震え始めたり、片足が動かしにくくなったりすることから始まります。 その後、徐々に反対側にも症状が広がっていくことが多いとされています。 また、震えが目立つ方もいれば、動作の遅さや歩きにくさが先に出る方もおり、症状の出方は様々です。 進行はゆっくりですが、放置すると日常生活に支障が出てくるため、早めの診断と治療が重要です。 編集部: 加齢による体の変化とパーキンソン病による症状は、どのように見分ければよいのでしょうか? 河村先生: 加齢によって歩く速度が遅くなったり、筋力が低下したりすることはありますが、パーキンソン病では先ほどの三徴(四徴)がそろって現れることが一つの特徴になります。 ただし、パーキンソン病のタイプによって症状の出方は大きく異なるため、見た目だけで判断することは難しい場合もあります。 パーキンソン病と似た症状が出る「パーキンソン症候群」という別の病気もあるため、正確な診断には専門医による診察や画像検査などが必要になります。