親が大腸がんだった場合、子どもがかかるリスクは上がります。 来年度から検診の便潜血反応検査がこれまでの2回法から1回法に変わります。 ニュースが流れたので、大腸がんを心配する患者さんから時々、「1回でいいのか?」と質問を受けるようになりました。 このことを考えてみます。 62歳の女性Nさんは、父親が60歳代で大腸がんのため亡くなっていたので、自分もなるのではないかと気になっていました。 毎年の健康診断で便潜血反応検査(2回法)を受け、5年前に一度、1回が陽性になりました。 そのため大腸内視鏡検査を受けると、がんやポリープはなく、痔(じ)からの出血が原因と診断されたそうです。 この時の大腸内視鏡検査はとてもつらいものでした。 体を左右に動かされ、おなかを上から強く圧迫され、内視鏡が奥に入るたびに痛かったので、二度と内視鏡検査は受けたくないと思ったと言います。 今年の便潜血反応検査は陰性でしたが、胃の調子が悪いということで受診された際に、「来年から便潜血は1回でいいのでしょうか?」と質問されました。 私も改めて、この変更について調べてみました。 大腸がんがあったとしても、出血が毎日起こるとは限らず、1回の採取でがんがある人を正しく陽性と検出できる確率は3050%ですが、これを2日連続にすることで、8090%に高めることができるといったデータに基づいて、2回法が採用されてきました。 しかし、国立がん研究センターなどの最新の評価やデータによると、陽性だった場合に大腸がんが見つかる割合は1回法と2回法で大きな差がないことがわかったそうです。 それでも見逃しの危険はあるので、毎年きちんと受けて1回法ですり抜ける弱点を補うとしています。 大腸がんは年単位でゆっくり進行するので、毎年欠かさずに受けていればいずれ検出することができる、という考え方です。