レクサスというと、オシャレでカッコよいクルマというイメージを抱く人も多いのでは? ですがGX550は、アーシーなボディーカラーと相まってオフロード感バリバリのデザイン。 今までのレクサスにはない魅力を備えた、「GX550OVERTRAIL+」を紹介します。 ランクル250から500万円アップ!? 「ザ・プレミアム・オフローダー」の正体 GX550は、いわゆるクロスカントリーと呼ばれるタイプの本格オフローダー。 ランドクルーザー250をベースに「ザ・プレミアム・オフローダー」というコンセプトのもと、レクサスの味付けがなされた1台です。 価格はランドクルーザー250の約500万円アップとなる11951270万円となります。 いくらレクサスのブランド料が乗っているとはいえ、約7割増しの価格設定には驚かされました。 「何でそんなに値段が違うの?」というところに興味が沸くのは当然のこと。 筆者もそうでした。 ラインアップは7人乗りのVersion Lと、5人乗りでルーフレールなどを取り付けてアウトドアテイストを高めるとともに左右を20mm拡幅、「E-KDSS」というオフロード走行時にスタビライザーをフリーにする機能や、リアデフロックを標準装着したOVERTRAIL+の2種類。 今回はOVERTRAIL+を紹介します。 まずはエンジンから。 ランドクルーザー250のエンジンラインアップは、最高出力204馬力/最大トルク500Nmの2.8L直4ディーゼルと、最高出力163馬力/最大トルク246Nmの2.7L直4ガソリンの2種類。 一方GX550は、最高出力353馬力/最大トルク650Nmのみ。 このエンジンは上位モデルであるLXにも搭載されていますが、あちらは最高出力415馬力なので、62馬力ダウンしています。 燃費はWLTCモードで8.1km/Lが公称値。 筆者が都内を走ったところ6.7km/Lを記録しました。 車両重量が2.5トンと重たいので、これはそういうものかなと思います。 ただハイオク専用車でして。 驚いたのは使うエンジンオイル。 なんと0W-20というサラサラなオイルです。 主にハイブリッドカーやエコカーに使われるものなのですが、大排気量ターボエンジン車なら、もっと粘度が硬い方がと思ったり。 ですが、この粘度のオイルでも問題ないのが今の技術なのでしょう。 ランクルとは違う優雅なデザイン 巨体ゆえの取り回しの苦労 ランドクルーザー250とは、主にフロントバンパー、ライトまわり、リア周辺が異なります。 ランドクルーザー250を野性味あふれる頼もしさと形容するなら、より鋭角的なデザインを採るGX550はシャープや優雅さをまとっているように思えます。 ボディーサイズは全長4970×全幅2000×全高1925mmと、ランドクルーザー250より全長で45mm長く、全高で20mm高くなっています。 ホイールベースは2850mmとランドクルーザー250と変わらずで、6mという最小回転半径も同じです。 車幅もあるので取り回しはよくはありません。 車庫によっては枠の幅がギリギリということも。 ですがバックカメラでは鳥瞰映像も表示しますし、しかも床下まで映像が出ますから、想像よりはラクだったりします。 バックドアがかなり大きいので、開閉時には後方に広いスペースが必要です。 地下駐車場など壁が近い場所での荷下ろしなどは気を使うかもしれません。 キャンプも余裕な広大な荷室 ラグジュアリーな後席空間 荷室はかなり広く、さすがラージサイズSUVです。 AC100Vのアウトレットも用意しているのも美質で、移動中に充電したいという方にピッタリです。 もちろんバックドアは電動式です。 床下には小物入れが用意されているほか、床面にはフック受けも用意されています。 大型荷物を結わいて運ぶことがある人にはうれしい配慮です。 ホイールハウスの回りで、ドリンクホルダーとUSB Type-C端子の姿を発見。 これは3列シートがあったものの名残でしょう。 「移動中、モバイルバッテリーの充電ができて良いな」と思ったのですが、プライバシーシェードの取り付け位置付近にあるため、接続が結構大変かもしれません。 2列目シートを倒しても、フルフラットにはできません。 ですが席全体を前に倒すことができるので、結果的にはフラットな床面を確保できます。 ただこの場合、運転席と助手席は前の方へずらした方がよいでしょう。 後席はプレミアムカーらしくラグジュアリーそのもの。 シートはL tex(合皮)とウルトラスエードの組合せで、アウトドアテイストを残しているという印象です。 移動中のスマホ充電に便利なUSB Type-C端子を2つ用意しています。 アームレストを倒すとドリンクホルダーが姿を現わします。 センタートンネルはかなり大きく高めなので、5人乗りですが4名乗車で快適に、が良いと感じました。 車高が高いため、ドア付近にはステップ、ピラー付近には手すりが用意されています。 ドアにはプライバシーシェードが設けられているほか、頭上付近にエアコン送風口が設けられていました。 顔に直接エアコンの風を当てたい人は、こちらの方がいいかもしれません。 レクサスならではの「道具感」と驚きの保冷庫完備 運転席まわりで最初に気づいたのは、スタートスイッチが普通であること。 これはどういうことかというと、ランクル300シリーズやLXは指紋認証機能を備えているから。 ランクルは盗難率が高いクルマなので、大丈夫か? と思っていたところ。 試乗車にはハンドルロックが用意されていました。 室内に傷がつかぬよう、軟質樹脂でコーティングされているのですが、よく見るとそこにはレクサスの文字が。 こういうアイテムまでオプションで用意するのはレクサスくらいでしょうか。 ちなみに価格は3万800円。 運転席のインテリアは質実剛健といったところ。 ほかのレクサスに比べると質素という印象を受けますが、その中でレクサス感を醸し出しているのが本機の魅力。 言い換えると今までのレクサスにはない「道具感」があります。 そのツール感を思わせるのが走行モードの多さ。 ドライブモードがオンロード用のほかに、オフロード用のマルチテレインセレクトと、ヒルセンド(下り坂)の速度設定を用意。 スイッチを押下した後にダイヤルを回してモードを切り替えます。 さらにトランスファー切替にデフロックスイッチ、トラクションコントロールオフスイッチと実に多彩。 使いこなすことは難しいかもですが、こういう機能があるとワクワクしませんか? USB Type-Cは2系統を用意。 アームレスト側に用意されたスマホトレイはワイヤレス充電に対応しています。 驚いたのはドリンクホルダー。 運転席側に2つありますが、アームレストにはさらに6本入るスペースを用意。 しかも保冷機能付き! 夏の暑い東京砂漠でも、渋滞中にキンキンに冷えた炭酸飲料が楽しめるというわけです。 「必ず生きて帰れる」究極の安心感をもたらす極上の走り 取材時期が冬だったこともあり、試乗車には18インチのスタッドレスタイヤが装着されていました。 ちなみにVersion.Lは22インチとのこと。 スタッドレスタイヤゆえ、全体的に柔らかな質感である一方、コーナーなどでは踏ん張りが効かない場面があったのも事実。 ですがクロスカントリーモデルで見かける、ユッサユッサと走るトラックみたいなクルマという印象からはかなり遠く、普通のSUVのような運転感覚と乗り心地に近い印象です。 リアサスペンションがリジッド(車体と車軸を固定したもの)なのに、この乗り心地を達成したのはすごい! ガソリンエンジン車ということもあってか、ランドクルーザーのようなガラガラというエンジン音が室内まで聴こえるということもなく、高速道路の風切り音もロードノイズも少ない印象。 普通のSUVと違うのは視界の高さ。 ほかのクルマの屋根が見える感覚はかなり新鮮で、自分が強くなった気分。 その気持ちをより高ぶらせるのが、クルマそのものの安心感。 万が一のことがあっても、自分は助かるのではという気持ちになります。 高い走破性と相まって、必ず目的地に行けて、必ず帰れるクルマがあるとするなら、こういうクルマなのでしょう。 ハイパワー車なので、踏めばクロカン車とは思えぬ怒涛の加速を魅せます。 コーナーをガンガン曲がって楽しい、というクルマではありませんが、運転の手応えがシッカリとあって退屈なクルマではありません。 うれしいことにシッカリと力強さを覚えるエンジン音が聴こえて、運転の楽しみを伝えるあたりにレクサスらしさを覚えました。 なるほど、これがプレミアム・オフローダーなのかとGX550を見ながら思った次第。 ランドクルーザーのようなハードさはちょっとという大人のクルマでありながら、アソビ心は忘れないという真の大人に似合いそう。 それにランクルを高級ホテルやレストランのエントランスに停めると場違い感がありますが、レクサスならサマになりますし。 レクサスって上手だなぁとつくづく思ったのでした。