体の小さな在来種のメスのカマキリが、外来種との繁殖行動で死んでしまうことがあるーー。 そんな研究成果を岐阜大学の研究チームがまとめました。 外来種の影響が、在来種が食べられてしまうことだけにとどまらず、繁殖行動にも及んでいることがわかったそうです。 研究チームは在来種の減少との関係も調べる必要があると指摘します。 (withnews編集部・山野拓郎) 岐阜大学応用生物科学部の岡本朋子准教授と土田浩治教授らの研究グループが調べたのは、中国原産とされる外来種のカマキリ「ムネアカハラビロカマキリ」と、在来種のカマキリ「ハラビロカマキリ」の関係です。 ムネアカハラビロカマキリが日本で初めて確認されたのは今世紀に入ってからで、中国から輸入された竹ボウキに卵が付着していたことが侵入経路だった可能性が指摘されています。 各地で生息が確認され、これまでに20以上の都道府県で見つかっています。 研究グループがこの外来種と在来種の関係を調べたところ、幼虫期では、体のサイズが小さい在来種が食べられやすい関係にあり、成虫期に外来種のオスが在来種のメスと交尾を試みると、メスが傷ついて死ぬケースがあることが確認されたそうです。 研究グループは、ケージの中に在来種と外来種を組み合わせたオスとメスのカマキリを入れて観察しました。 その結果、外来種オスと在来種メスの組み合わせでは、交尾が確認された4ペアのうち3ペアで在来種のメスが交尾器にけがを負い、死にました。 メスに損傷が見られなかったのは1ペアだけでした。 岡本さんは「外来種が大きいため、在来種のメスの交尾器を傷つけていると考えられます。 死亡の原因が交尾器の損傷であると結論づけることはできませんが、交尾器の損傷がみられた個体は交尾後1日以内に死亡しました」といいます。 一方で在来種のオスと外来種のメスの組み合わせでは、交尾に至ったペアはいませんでした。 3ペア中2ペアは、交尾する前に在来種のオスが外来種のメスに食べられてしまったそうです。 チームは、在来種のオスと外来種のメスが交尾しない理由について、「在来種オスの体のサイズが小さく、オスの交尾器がメスの交尾器に届かないためではないか」と推測しています。 また、幼虫期の同じ年齢の在来種と外来種は、年齢が上がるに従って外来種の方が体のサイズが大きくなり、在来種が捕食される割合が高くなることも確認されました。