オラが世界一。 昔々、それはそれは大きなワシがいました。 その大ワシは世界でオラぐらい大きなものはいない。 オラは世界一だ。 といつも威張っていました。 大ワシがバッと羽ばたくと、なんと十里も飛びました。 ある日、大ワシは海へ飛んでいきました。 どこかに止まれるところはないかと探しながら飛んでいくと、ちょうどいい木の枝を見つけました。 やれやれ、やっと見つけた。 と、その晩はその木の枝に止まって眠りました。 次の朝、オラみたいにでっかくなれば、止まる木を探すのも一苦労だなんて、ぶっつらぶっつら独り言を言いながら、大ワシはまたバッバッと飛んで百里も来た時、昨日と同じような木の枝を見つけ、降りてみると。 誰だ? 昨日は左のヒゲに止まって、今日は右のヒゲに止まっているやつは。 と大きな声がしました。 大ワシがびっくりして飛び上がってよく見ると、それは大きなエビのヒゲでした。 さすがの大ワシも、なんてあんたはでっかいんだ。 これじゃオラの負けだと言って、どこかへ飛んで行ってしまいました。 そこで今度はエビがオラが世界一だと言って威張っていました。 エビがボンっと跳ねれば十五里も飛びます。 ところが、エビもあんまり大きかったので、晩になると止まる穴を探すのが大変でした。 それでもやっと大きな洞穴を見つけ、やれやれほっとしたと、その穴で眠りました。 次の日、エビはまたぴょんぴょんと何百里も跳ねていきました。 そして晩になると昨日と同じような洞穴を見つけ、これはいい塩梅だとその中に入っていたら、誰だ? 昨夜は右の鼻の穴に入ってくすぐったいと思ったら、今度は左の鼻の穴に入ってくるやつは? と怒鳴る声がしました。 エビが表に出てみると、それは大きなヒラメの鼻の穴でした。 世の中には随分大きなものがいるもんだなとたまげてエビは戻っていきました。 上には上があるものです。