東京大学といえば赤門が有名ですが、5年前から閉鎖されて通れない状態が続いています。 現在は門全体に覆いがかけられ、姿を見ることすらできません。 赤門は今、どうなっているのでしょうか。 (withnews編集部・山野拓郎) 東大によると、赤門は2021年2月に閉門されました。 耐震診断で強度の低さが判明し、大きな地震が起こったときに転倒の危険性があるとされたためです。 それ以来、閉門され続けていて、学生や教職員でもくぐれないそうです。 その後、東京大学150周年記念事業として「赤門周辺の歴史的環境保全事業」が計画され、2025年に赤門の修復工事が始まりました。 耐震工事と伝統的な木造技術、3Dスキャンなどの先端デジタル技術を融合させた修復が進められ、2027年秋の完成・開門をめざしています。 2026年9月、工事の見学会が開かれ、記者も参加しました。 文化財保護のため、工事現場はボールペンや油性ペンの持ち込みが禁止され、メモ用の筆記用具は鉛筆のみが許されました。 赤門に手を触れることも厳禁です。 ヘルメットを装着して工事現場に入ると、たくさんの足場が組まれた中に見慣れた赤い柱がありました。 赤門は国の重要文化財に指定されています。 今回の工事では、近代的な手法による耐震補強と、伝統的な工法での修理工事が並行して実施されているそうです。 今回の工事の特徴の一つは、柱の下へのおもりの設置です。 文化財建造物保存技術協会の江見歩さんによると、赤門は、屋根の中心線と下の構造物の中心線がずれる特徴を持つ「薬医門」という様式です。 この様式は、大きな地震が起こったときに構内側の柱脚が浮き上がり、学外側に転倒する可能性があります。 そこで、地中に鉄筋コンクリートのおもりを設置して補強材を取り付け、赤門と一体化させることで、耐震性の向上をめざしているそうです。 また、柱の補強も行っています。 赤門の柱は、異なる木材を接合させた「継手」で造られています。 大地震の影響で変形する可能性があるため、炭素繊維で補強します。 薄くて強度があり、既存の柱を傷めることなく補強できるメリットがあるそうです。 デジタル技術も活用されています。 寸法を「3次元点群データ」というデジタル記録として取得する測量手法が導入されました。 形が複雑な部位を復元するときに、このデータが「定規」の役割を果たすことで、より正確な復元ができるそうです。