大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんです。 早期には自覚症状がないことが多く、進行すると血便が出る、便が細くなるなどの症状が表れます。 岡田さんは、健康診断の便潜血検査(便に血液が混じっていないかを調べる検査)で数年前から「要検査」となっていました。 しかし、内視鏡検査へのネガティブなイメージから、受診を先延ばしにしていたといいます。 友人のがん発覚をきっかけに検査を受けたところ、2024年、直腸がんと診断されます。 現在、経過観察中の岡田さんに、発覚から診断、治療の経緯を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。 2026年4月取材。 岡田知子さん 1975年生まれ、奈良県在住。 2児の母。 2024年に大腸がん(直腸がん)が発覚し、診断の翌月に切除手術を受ける。 約3カ月の自宅療養を経て、2025年4月に仕事を再開。 現在は3カ月に1回の検査で経過観察中。 2026年2月に大阪府のがんピアサポーター講座を受講し、今後はピアサポーターとして活動予定。 編集部: 最初に感じた体の異変は、どのようなものでしたか? 岡田知子さん: 腹部の膨満感(おなかが張る感じ)だったと思います。 当時は集団健診のメタボ判定に引っかかり、ダイエットしなければと考えていたころでした。 しばらくすると、用便の際に血のにおいがし始め、トイレに行くのが憂鬱(ゆううつ)になりました。 その後、便が細くなり、残便感も覚えるようになったんです。 編集部: 受診を決めるまでの経緯を教えてください。 岡田知子さん: 数年前から、健康診断の便潜血検査で「要検査」の文字がありましたが、検査への怖さや日々の忙しさに加え、かかりつけ医をどこにするか悩んでいるうちに、受診を先延ばしにしていました。 そんなとき、友人の子宮がんが発覚し、話を聞くにつれ自分のことも気になり、内視鏡検査を行っているクリニックの受診を決めました。 編集部: 検査の前に不安だったことや、実際に受けてみた感想を教えてください。 岡田知子さん: 経験者からは「検査までの下剤がつらい」などのネガティブな話を耳にすることが多く、どこかひとごとのように聞いていたので、受診をためらっていました。 しかし、実際には胃と腸の検査を同時に行い、麻酔でほぼ眠った状態だったので、痛みなどは気になりませんでした。 目が覚めたら検査が終わっていたという感じです。 編集部: 医師から「がん」と告げられた瞬間、頭にはまず何が浮かびましたか? 岡田知子さん: 目の前が真っ白になり、頭をよぎったのは、2カ月後に控えていた娘の受験と、今後の治療費のことでした。 がんではないかもしれないと少しは期待していただけに、「やっぱり......」という思いでした。 治療費については、保険の見直しをしていたおかげで、退院後すぐに保険金が支払われました。 加えて、高額療養費制度(医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度)により実際の支払額も抑えられ、助かりました。 編集部: 提示された治療方針を、どのように受け止めましたか? 岡田知子さん: 最初のクリニックでは、「すぐに手術で切ったほうがよい」と言われました。 娘の大事な受験期をそばでサポートしたいという思いと、病院の空き日程から、できるだけ早い時期の手術を選ばざるを得ませんでした。 ほかの治療方針についての説明はありませんでしたが、それだけ手術が最善という判断だったのだろうと受け止めています。 時間にもう少し余裕があれば、放射線治療なども視野に入れていたかもしれません。 編集部: 実際に受けた治療について、詳しく聞かせてください。 岡田知子さん: 年明けすぐに入院し、2日目に腹腔鏡(ふくくうきょう)手術(おなかに開けた小さな穴からカメラや器具を入れて行う手術)を受けました。 リンパ節への転移の可能性もあるため、上部直腸とS状結腸(大腸のうち、直腸の手前にあるS字状に曲がった部分)を含んだ10cm程度の腸管と、大動脈の周辺にあるリンパ節を3個切除しました。 傷跡も少なく経過は順調で、入院期間は11日間でした。 結果的にリンパ節への転移が分かり、抗がん剤を勧められましたが、使用はせずに自宅で療養することを選びました。 その後は食事や生活に気を付けながら過ごし、仕事も少しずつ再開。 今は、3カ月ごとの通院で血液検査、半年に1回のCT検査、1年に1回の内視鏡検査を受けて経過観察をしています(※)。 ※治療方針は患者さんの状態によって異なります