浸潤性乳がんは、乳管などにできたがん細胞が、周囲の組織にしみ出すように広がっているタイプの乳がんです。 姉が乳がんに罹患(りかん)したことをきっかけに市の乳がん検診を受けた阿部さんは2024年、40代前半で浸潤性乳がんと診断されました。 しこりの自覚症状は、まったくなかったといいます。 当初の診断は「ステージI」でしたが、手術前の詳しい検査で「ステージII」に。 手術と約半年間の抗がん剤治療を経て、ホルモン療法を続けながら、仕事にも少しずつ復帰しています。 阿部さんに発覚から診断、治療、現在に至るまでの経緯を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。 2026年5月取材。 阿部由衣さん 1980年生まれ、札幌市在住。 夫と娘2人の4人家族。 診断時は営業や飲食店、イベントMCなどの仕事に携わる。 2024年、市の乳がん検診で乳がんと診断される。 手術と約半年間の抗がん剤治療を経て、現在は通院しながらホルモン療法を続けている。 編集部: 乳がんが見つかる前、体調に気になることはありましたか? 阿部由衣さん: 振り返ると、受診する数カ月前から、ときどき胸がチクチクと痛むことがありました。 ただ、当時は乳がんと結び付けて考えることはなく、しこりに気付くこともありませんでした。 編集部: 診断に至るまでの経緯を教えてください。 阿部由衣さん: 姉が先に乳がんに罹患していたため、「自分も気を付けなければ」と思い、ずっと受けていなかった市の乳がん検診クーポンを使って、軽い気持ちで受診しました。 その際に、以前の検診のときにはなかったしこりが見つかったんです。 すぐに細胞診(細胞を採取して調べる検査)と針生検(しこりに針を刺して組織を採取する検査)を受け、乳がんの確定診断が下されました。 編集部: 診断されたとき、医師からはどのような説明がありましたか? 阿部由衣さん: 最初に診断されたときは、しこりの大きさが1.4cmで、「ステージIの浸潤性乳がん」という説明でした。 手術は診断されたクリニックではできないため、紹介してもらった大きな病院で、再度詳しい検査をしました。 その結果、しこりの大きさは2.4cmと診断され、その時点でステージIIに上がりました。 編集部: 診断されたときは、どのようなお気持ちでしたか? 阿部由衣さん: ショックよりも、直後は実感が湧かなかったというのが正直なところです。 しかし、時間とともに、ことの重大さにじわじわと気付いていきました。 一番は自分のことより、「子どもたちにどう伝えようか」「入院するとき、子どもたちは大丈夫だろうか」と、子どものほうが心配でしたね。