8月末からインフルエンザが異例の早期流行期に入っています。 9月も患者数は増加しており、10月開始予定だったワクチン接種を早めた医療機関もあります。 こうしたインフルエンザの変則的な流行は、ここ数年見られていますが、原因はどこにあるのでしょうか。 また、今シーズンはどのように推移するのでしょうか。 今回はインフルエンザの早期流行について解説します。 インフルエンザは通常、冬に流行する感染症ですが、今年は8月末から患者数が増加し、厚生労働省は8月28日に流行期に入ったと発表しました。 これは定点医療機関当たりの患者数が1.0人を超えたことを意味します。 1999年からの現行調査では、過去二番目に早い始まりです。 ちなみに、一番早かったのは2009年に起きた新型インフルエンザなので、季節性としては最も早いと言ってもいいでしょう。 その後も患者数は増え続け、9月11日の発表では定点患者数が3.29人と、約3倍になりました。 地域別では沖縄県が10.34人と最多で、それ以外は東北や関東など東日本で多くなっています。 ウイルスの種類はA(H1N1)型の検出が多く、昨シーズン(2526年)と大きな違いが見られています。 インフルエンザウイルスのA型には、H1N1亜型とH3N2亜型の2種類があります。 昨シーズンはH3N2亜型が拡大し、その中のサブクレードKと呼ばれる新系統が大流行を起こしましたが、今シーズンはH1N1亜型が多くなっています。 この亜型が主流になるのは2324年のシーズン以来で、久しぶりの流行と言えます。 では、なぜ今年は、異例の早期流行になったのでしょうか。 まず考えられるのは新型コロナ流行の影響だと思います。 コロナがパンデミックを起こした20年以降、インフルエンザの流行は2年間にわたって抑えられました。 その後、流行は復活しますが、患者数がコロナ前より多くなったり、流行時期が早まったりするなど、大きな変化が見られました。 これは、インフルエンザが抑えられていた間に、このウイルスへの私たちの免疫が減衰したためと考えられます。 そんな中、今年はH1N1亜型が久々に拡大しているわけです。 この型への免疫が低下している状況で広がったことが、早期流行の原因の一つになるでしょう。