監視カメラへの反発から生まれたファッション。 アメリカでは今、Flock Safetyなどの企業が全米に約13万台設置した道路を走る車のナンバープレートを自動で撮影・記録する監視システム「自動ナンバープレート読み取りカメラ(ALPR)」に対する反発が広がっています。 そのほとんどが、住民の承認がないまま、いつの間にか設置されていたことも批判されています。 巨大テック企業による監視への反感はかなり強く、テネシー州サリバン郡では会議中に、FlockのCEOを「反逆罪で公開絞首刑にすべきだ」という郡政委員の発言まで飛び出す事態に。 こうした反発の高まりを受け、ALPRは、同じく住民からの反対が強いデータセンターと並んで、11月の選挙を左右する重要な争点のひとつになっています。 行政はすぐに動けない しかし、有権者が選挙でFlockのカメラ撤去を求めたとしても、行政はそんなにすぐには動きません。 まして、住民の意向をあまり気にしない行政関係者が絡んでいるとなれば、なおさらの話。 つまり、カメラを正式な手続きで撤去させるだけでも、数カ月どころか数年かかる可能性があるということです。 ましてや、問題の企業幹部を処罰するとなればさらに時間がかかります。 そんな中、監視カメラを破壊する人たちも現れているとのこと。 しかし、こうした行為は長期的な解決策になるわけありません。 社会の空気が明らかに「監視社会反対」の方向へ傾いているとはいえ、法律や制度が住民の要求に追いつくまでの間にも、カメラは24時間データを収集し続けています。 それを不安に感じる人が多いのも当然です。 AIの人物検出をかいくぐるシャツが登場 こうした監視社会への強い反発から、新たな動きも生まれています。 AI企業や監視カメラ企業のシステムをかいくぐる方法をクリエイティブな人たちが考え始めています。 しかも、中にはかなりファッショナブルな対策まで...。 プライバシー保護を重視するオンラインコミュニティでは以前から、ナンバープレートに透明の反射スプレーを吹きかけたり、カメラが番号を読み取りにくくするカバーを装着したりする方法が紹介されてきました。 ただ、こうした対策は多くの場合、法律に反したものなのです。 さらには、進化し続けるAIといたちごっこを続けるのは、終わりのない戦い。 しかも、こうした対策をすると、かえって警察の注意を引いてしまうケースも多いのです。 幸いなことに、少なくとも現時点では、自動車のように自分の生体番号みたいなものを政府に登録する必要はありません。 服装や外見についても、基本的には政府の規則に従う必要はありません。 そこを利用して、AI搭載カメラに人を見つけにくくさせる工夫も進んでいます。 デザイン・建築メディアDezeenは、ドイツ人デザイナーのSimon Weckert氏がAIの人物検出アルゴリズムを混乱させる、派手なカラーパターンの半袖シャツを開発したと報じています。