これまで中国でしか報告されていなかった寄生バチの一種が、日本で初めて見つかった。 発見のきっかけとなったのは、九州大の学生がSNSに投稿した動画だったーー。 九大の研究チームによると、今回見つかったのはカマキリの卵に寄生するナガコバチの一種「ユーペルムス・カーバトール」。 寄生バチはハチの仲間のうち、ほかの昆虫に卵を産み付けて、その体内などで幼虫が成長する。 体長数ミリと小さいため、発見や記録が難しく、分布や生態の解明は十分に進んでいないという。 一本の動画が新発見につながった。 2021年、当時、九大農学部の学生だった野口奨悟さんは、大学内の緑地でカマキリの卵に産卵しているハチを発見した。 クモの研究が専門の野口さんは、「面白いクモがいないかキャンパス内を散策していたら、変わったハチを見つけた」。 思わず動画を撮影し、ツイッター(現X)に投稿した。 その投稿に、寄生バチの分類を専門としている九大総合研究博物館の河野太祐・協力研究員が気付いた。 河野さんは「もしかしてナガコバチの一種ではないかと。 カマキリの卵に産卵しているのもとても珍しいと思った」と振り返る。 河野さんがSNS上で情報提供を呼びかけたところ、神奈川県で撮影された同様のハチの記録が寄せられたり、福岡市で採取された標本が提供されたりした。 集まった写真や標本をもとに特徴を照らし合わせた結果、これまで中国でしか確認されていなかったナガコバチの一種だと判明した。