スマートフォンメーカーは毎年、ユーザーにアップグレードを促す。 現在使っている端末の支払いが終わる前に促すことさえある。 新機種が登場するたびに、より明るい画面、より優れたカメラ、より強力なプロセッサーなどが宣伝される。 世代ごとに改良されているものの、実際には、1年前の機種との差は多くの人が思っているほど劇的ではない。 モバイル端末の価格が高騰していることも状況に拍車をかけている。 最近のフラッグシップモデルの価格は1000ドル(約15万7000円)を優に超える。 そこに広範な経済的不安が重なり、多くの人がスマートフォンをより長く使い続けるようになっている。 Reviews.orgの2025年調査によると、米国人は平均で約29カ月間、スマートフォンを使い続けている。 その調査を見て、ふと考えた。 スマートフォンの価値を最大化するには、どれくらいの期間使い続けるべきなのだろうか。 データを見た結果、筆者は5年が最適だという結論に達した。 これは絶対的なルールではないものの、購入した端末を最大限活用し、重要なアップデートを享受するには5年がちょうどよい期間だ。 その理由を本稿で説明する。 現在のスマートフォンは成熟の域に達しており、年ごとの改善が小幅なものに感じられる。 新機種は宣伝通りの性能を備えているものの、正直なところ、一般的なユーザーにとって、そうした進化は気付きづらい。 ほとんどのユーザーは、スマートフォンのハードウェア性能を限界まで使い切っているわけではない。 メールの確認や動画の視聴、ソーシャルメディアの閲覧などは、古いモバイル端末でもできる。 「iPhone11」が何の問題もなく動いているのに、「iPhone17」に買い替えたいと思うだろうか。 もちろん、そうする人もいる。 だが、全員ではない。 実際には、技術の進歩は断続的な飛躍として起こる。 例えば生成AIの登場によって、各メーカーは生成AIを次期端末に組み込もうと急ぎ、大きな変化が生まれた。 Googleの「Pixel8」シリーズはその好例で、「Pixel7」シリーズとは大きく異なる。 Googleのスマートフォンとして初めて、「Gemini」や「Magic Eraser」(消しゴムマジック)のようなAI機能に対応したからである。 その後、ユーザー体験の進化は再び小幅なものとなった。 Pixel8と「Pixel9」を比較しても、デザイン以外の面で大きな違いに気付くユーザーはほとんどいないだろう。 メーカーは、年ごとに劇的な進化を遂げる時代がほぼ過ぎ去ったことを分かっている。 そのため、最近の新製品の発表は、ハードウェアやソフトウェアの大幅な改善ではなく、日常生活に役立つちょっとした機能や細やかな調整に焦点が当てられている。 スマートフォンを5年間使い続けることを自信を持って推奨できる最大の理由は、メーカーが端末をより長くサポートするようになっていることである。 少し前まで、スマートフォンを5年間使い続けることは、主要なソフトウェアアップデートや新機能、重要なセキュリティパッチを受け取れないことを意味していた。 攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)になり、ソフトウェアの動作が重くなることは避けられなかった。 現在では状況が変わった。 より長いサポートを求める消費者の声や、規制当局からの圧力により、メーカーはソフトウェアに対するサポートを延長せざるを得なくなった。 2025年時点で、欧州連合(EU)は企業に対し、モバイル端末向けに、少なくとも5年間はOSをアップデートするよう義務付けている。 それを上回る企業もある。 「Galaxy」とPixelのスマートフォンはいずれも、7年間のソフトウェアサポートを受けられる。 iPhone11は、Apple史上最も長くサポートされる「iPhone」になる見込みだ。 「iOS27」が提供されれば、iPhone11は計8回、主要なOSアップデートを受けることになる。