胃や大腸の内視鏡検査と聞くと、「苦しそう」「痛そう」といったイメージのある方は少なくない。 健康診断で「要精査」と指摘されても、なかなか受診に踏み出せないという方もいるだろう。 しかし、内視鏡検査を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化している。 国立がん研究センター東病院や埼玉県立がんセンターで、内視鏡検査からその後の治療まで幅広く携わってきた、三井智広(みついともひろ)先生(現、東京下町おなか内視鏡クリニック葛飾金町院院長)は、次のように話す。 「現在の内視鏡検査は、以前とは変わってきている部分もあります。 かつてのイメージのまま検査を敬遠してしまうのは、本当にもったいないことです。」 今回は、初めて内視鏡検査を受ける方に向けて、近年の内視鏡検査で行われている苦痛軽減のための工夫や、納得のいく医療機関選びのポイントについて、お話を伺った。 ◇進化を続ける内視鏡検査 かつての内視鏡検査は、内視鏡自体が太く、検査中に苦痛や不快感を訴える方が少なくありませんでした。 しかし現在は、機器の小型化や高画質化だけでなく、患者さんの身体的負担を軽減するためのさまざまな機能が開発されています。 たとえば、スコープの先端が腸の壁に接触すると、スコープの先端部分が腸に合わせて曲がる機能が挙げられます。 大腸はカーブが多いため、この機能によってスムーズに奥まで挿入できるようになりました。 また、患者さんの腸の形状に合わせて、手元でスコープの硬さを調整できる機能もあり、腸に不必要な圧がかかるのを防ぐことができます。 さらに、医師が手元で行う細かな操作がダイレクトに先端へ伝わる技術も進化しており、検査時間の短縮にもつながっています。 こうした技術革新は、検査時の苦痛や負担の軽減につながっており、内視鏡検査に対するハードルを下げる一因となっています。 最近は、検査時に鎮静薬を用いる医療機関も増えてきました。 全身麻酔とは異なりますが、うとうととリラックスした状態になるため、「気付いたら終わっていた」と感じる方もいます。 ただし、鎮静薬を使用すれば100%苦しくないというわけではありません。 鎮静薬は苦痛に対する感度を鈍らせてくれますが、それを上回るような強い負担が腸にかかれば、やはりつらさを感じてしまいます。 つまり、検査時の負担軽減には、鎮静薬だけでなく、使用する機器の性能や、医師の技術・経験も重要だということです。