ピロリ菌は、胃がんの大きな原因の一つとして知られています。 除菌治療を受けることで胃がんリスクは下がるものの、「除菌したからもう安心」と言い切れるわけではありません。 除菌の意味を正しく理解し、除菌後に何が大切なのかを知ることにより、将来の安心につながります。 そこで、阿部クリニック院長の阿部先生に、ピロリ菌と胃がんの関係や、除菌後に気を付けた方がよいことについて解説してもらいました。 ピロリ菌と胃がんの関係 編集部: ピロリ菌とは、どのような菌なのでしょうか? 阿部先生: ピロリ菌は、胃の粘膜に感染する細菌で、長期間にわたって慢性的な炎症を引き起こします。 日本では、幼少期の衛生環境の影響から、中高年層に感染者が多い傾向にあります。 感染そのものが直ちに問題になるわけではありませんが、長期間感染が持続すると胃がんの発症リスクと関連することが報告されており、注意が必要です。 編集部: ピロリ菌感染は、なぜ胃がんと関係しているのですか? 阿部先生: 慢性的な炎症が続くと、胃粘膜の細胞が傷ついて修復を繰り返す状態になるからです。 胃粘膜の修復を繰り返す過程で細胞の性質が変化し、胃がんが発生しやすい環境が作られていくと考えられています。 編集部: ピロリ菌に感染すると、胃がんのリスクが上がるのでしょうか? 阿部先生: ピロリ菌に感染しているからといって、必ず胃がんになるわけではありません。 ただし、感染していない人と比べると発症リスクが高くなることは分かっています。 過度に怖がる必要はありませんが、感染が確認された場合は、適切な検査や治療を検討することが重要です。 編集部: ピロリ菌感染の有無はどのように調べるのですか? 阿部先生: 内視鏡検査をはじめ、血液や尿を用いた抗体検査、尿素呼気テスト(UBT/吐き出した息の成分を調べて、胃の中にピロリ菌がいるかどうかを判定する検査)、便中抗原測定など、複数の方法があります。 年齢や症状、胃の状態に応じて検査方法を選択し、正確な診断につなげていきます。