Sayuri Sayingのエブリデイジャパニーズポッドキャストへようこそ。 日常の話題を自然な日本語でお届けします。 日本語をもっと掘り下げて勉強したい方へ。 私のウェブサイトには、テーマに関する単語、会話の話題、ふりがな付きのトランスクリプト、写真や字幕付きのビデオポッドキャストがあります。 詳しいことはSayuri Saying.comで。 それでははじまりはじまり。 こんにちは、さゆりです。 今回は南インドのケララ州のテカディという小さい街からお届けします。 突然ですが、質問です。 このケララ州の中にいくつの言語があると思いますか? 答えはなんと 四言語です。 今回はその話から始めて、言語と完璧主義について話していきたいと思います。 日本語を学んでいる方にきっと何か刺さるものがあると思うので、ぜひ最後まで聞いてみてください。 今、私がいるケララ州というのは南インドにある州なんですけど、メインの言語は二つあります。 一つはマラヤラム語。 これがケララ州の公用語で、割とメインストリームな言語です。 もう一つがタミル語で、州の中でも場所によってメインの言語が変わってくる感じです。 さらにそこに英語とヒンディー語も加わってくるので、合わせて四つの言語が一つの州の中で飛び交っている感じです。 今回ゆっくり滞在してみて気づいたことは、教育を受けた人は複数の言語を話せたりするんですけど、農村部で暮らしている人たちや自分の地域だけで暮らしている人たちは、その一つの言語だけを話すという印象を受けました。 同じ州の中でもこんなに言語環境が違うんだということが正直すごく驚きました。 そういう環境の中でコミュニケーションをとっていて気づいたことがあったんですね。 あの、インドの人ってとにかく伝わればいいっていうスタンスなんです。 例えばお名前は何ですか? って聞く時に What's your name? じゃなくて、 your nameだけだったり、出身を聞く時も From countryみたいな感じで必要な単語だけを言います。 つまり文法とか綺麗な言葉とか、そういうのはあまり関係なくて、キーワードだけで意思疎通を楽しんでいる感じがしました。 さて、ここからが今回のメインのお話です。 ちょっと前にアメリカ人の友達が日本に遊びに来てたんですね。 で、その友達がどうしても行きたいお店があって、どんなお店だったかというと、貴重な珍しい日本酒をいろいろ試せる、すごく人気のお店だったんですけど、予約方法が電話だけだったんです。 で、私の友達の日本語のレベルは日常会話レベルで、電話でスムーズにやり取りするにはまだ難しい感じだったので、ああ、じゃあ私が代わりに電話するよということで、はい、私が電話をすることにしました。 で、お店に電話した時、名前とか日程を伝えたところで、あと電話番号も聞かれたんですね。 で、友達は外国からの旅行者なので、日本の電話番号を持っていなくて、そうお店の人に伝えると、お友達は日本語を話せますか? っていう流れになりました。 で、私は日常会話なら話せるので話せますって答えたら、お店の人にでは代わってくださいって言われたんですね。 で、友達に私のスマホを渡したんです。 そこから突然日本語のテストが始まりました。 で、すごく早くて難しい文章ですね。 例えば、このお店では円滑な日本語で注文したりしているんですけど、それは大丈夫ですか、とか、予約時間の十五分前にお越しいただけますかとか、少し敬語を混ぜた、そういうレベルの文章を普通のスピードで、しかもね、お酒を飲む場所だからちょっとうるさくてガヤガヤした状況で話されました。 結果、友達はそのお店の人が言っていることが全然わからなくて、予約を断られてしまいました。 本当に残念ですね。 で、最後お店の方と私が話したんですけど、お店の方は理由を説明してくれました。 お店の人は自分は日本語しか話せない。 言語の壁があって、お客さんに時間をかけると、他のお客さんにも迷惑をかけてしまって、サービスが落ちてしまう。 日本語がネイティブレベルじゃないお客さんを断っているという理由をちゃんと説明してくれました。 皆さんはこの話を聞いてどう思いましたか? うーん。 友達、私の友達側ですか。 うん。 ねぇ、せっかく行きたかった店に予約して、そういう風に断られて、なんかテストみたいなのもされて、本当にショックですよね。 最悪ですよね。 うん。 それともお店の人側の気持ちですか。 お客さんには来てほしい気持ちはあるけど、今まで既存のお客さんも大切にしたいし、そういうサービスの質を落としたくない。 いい経験をお客さんにしてもらいたいから、言語が原因で断る。 うん。 どちらでしょうか。 どっちの気持ちもわかりますかね。 はい。 実はこれ、言語学的な話につながっていて、ローコンテクスト文化とハイコンテクスト文化っていう考え方があります。 で、インドだったら、このお店のお断りはおそらく起きてなかったと思います。 言葉が通じなくても、とりあえず来てください。 なんとかなりますという感じで受け入れてもらえる可能性が高いです。 言葉を飾らなくても、必要な情報を直接やりとりすることに重きを置くスタイルですね。 まさにローコンテクスト文化です。 逆に、ハイコンテクストは、言葉にしなくても、空気や文脈で伝わることを大切にする文化。 日本はこちらですね。 お店がテストしたのも、実は日本語の能力だけではなくて、敬語のニュアンスや場の空気を読む力、つまり言葉の先にある文化や習慣まで含めたものだったのかもしれません。 日本のおもてなしって、実はこの完璧主義とすごく近いところにあると思っていて。 あの、相手に最高のものを届けたいからこそ妥協しない。 だからそれが言語の壁がある人を遠ざけるというか、お断りするという形になってしまうこともあるんだなと思います。 でも、勘違いしてほしくないのは。 あの、根っこにあるのは誠実さなんだと私は信じてます。 どちらが正しいとかどちらが悪いとかではなくて、これは価値観の違いなんだと思います。 その誠実さっていうのは、最高のものを届けたい、最高の体験をしてほしいっていうものですね。 はい。 で、ここから日本語を学んでいる人たちへの話につながるんですけど、インドで気づいたのが、 Google翻訳を使ってコミュニケーションするのと、自分の口から言葉を出してコミュニケーションするのとでは、相手の反応が全然違うんです。 Google翻訳を使うと完璧なセンテンスが出てきますよね。 でも、自分の口から全然完璧じゃない言葉が出てきても、やっぱりインドではその人から直接出てくる言葉って、やっぱもっと尊重されるというか、もっと聞いてもらえる感じがするんですね。 伝わり方が違うなと感じました。 温度が違うっていうか。 何だろう。 もっと聞いてくれる感じ。 だから Your name from country だけでちゃんとコミュニケーションが成立して、笑顔になって仲良くなっていく感じですね。 だから逆にちゃんとしたセンテンスを私は作らずに、favorite foodとかfavorite animalとか、その単語だけで話すように逆にしてましたね。 うん。 あとジェスチャーを交えて話すようにしていましたね。 だから、文法が正しいかどうかよりも、伝えようとする姿勢が相手に届いているのかなと思います。 今ね、日本語を学んでいる方も、ちょっと恥ずかしいからとか、完璧な言葉、間違えてない言葉で話したいなとか思っている方が多いと思うんですけど、時々それは何だろう、コミュニケーションを邪魔するのかなとも思いました。 だからぜひそのインド人の人のマインド、スタンスを借りてみるのもいいかなと思います。 実はこれは今の自分自身にも刺さってて、今まではちゃんとしたマイクを使ってカメラを使って自宅で録音していたんですけど、今回はスマホを使ってインドから収録しています。 今までの自分だったら、ポッドキャストをするからにはできるだけいい音で聴いてもらえるようにとか、なんかいろいろ考えすぎちゃって、囚われすぎていたなと思います。 でもこのインドでの旅がそれを少し変えてくれた気がします。 もちろん日本に住む人、日本に旅行する人に、日本には完璧主義的な文化があることは知ってほしいなと思いますね。 皆さんがもし間違ったことを言ったり、何だろう、ちょっとコミュニケーションで失敗した時に、特に地方や田舎の方に行くと、外国人に慣れていない人が多いっていうこともあって、うまく対応できないと感じる場合があるかもしれません。 でもそれは悪意からじゃなくて誠実さから来ているんですよね。 その悪意っていうのは、もう外国人嫌だとか帰れとか、そういうのじゃなくて、ちゃんと対応したいけどできない、そのアビリティの問題ですよね。 ちゃんと対応したいっていう誠実さから来ているものもあるっていうのを知ってほしいですね。 それも日本文化の一部としてどこかで覚えておいてほしいなと思います。 だから、完璧な日本語よりも伝えようとする日本語の方がずっと価値があるかなと私は思います。 はい。 今回はインドのケララ州から言語と完璧主義について考えてみました。 旅をしながら言語や文化について考えていると、日本にいるだけでは気づかないことにたくさん出会えているなと感じています。 はい。 では、今回も最後まで聞いてくれてありがとうございました。 では、また次のエピソードで。 バイバイ。