昔、長安という都にムスタファという名の仕立て屋さんが住んでいました。 暮らしは貧しく、たった一人の息子さえまともに学校に行かせることができないほどでした。 その一人息子の名はアラジン。 学校に行っていないので遊んでばかりいました。 お父さんのムスタファはアラジンを立派な商人にしようと思い修行させましたが、 どれも長続きせず、ついにムスタファは長年の苦労がたたって病気になり、死んでしまいました。 アラジンはお父さんが病気で死んでしまったことで、初めて目が覚めました。 僕はこんな水売りで終わりたくない。 一体どうしたらいいんだろう? ある日のこと、アフリカのモロッコから有名な魔術師のアフリーキーがやってきました。 アフリーキーは魔術の本を手がかりに、この長安に偉大な魔法のランプを探しに来たのです。 このランプは、擦ると大魔王が現れて、どんな望みでも叶えてくれるという素晴らしい魔力を持ったランプで、アラジンという若者だけがそのランプに近づける、と本に書いてあったのです。 私はお前のおじさんなんだ。 さあアラジン、お前にこの金貨をあげよう。 どうだアラジン。 ちょっと私の手伝いをしてくれんかな。 とアフリーキーは言いました。 アフリーキーはアラジンをだまして、魔法のランプを自分のものにしようとしているのです。 次の日、アフリーキーはアラジンを小高い丘に連れて行きました。 焚き木を集め、火をつけ、魔法の粉をふりかけて呪文を唱え始めると、 突然、地面が割れて、鉄の扉が現れました。 さあ、いいか、アラジン。 今から俺の言うことをよく聞けよ。 まず、階段を降りて行って、三つの部屋を通り抜けろ。 そこには、たくさんの金銀財宝が置いてある。 欲しいだけ取ってこい。 それは、お前にやる。 でも、もっと大事なのはその先のバルコニーに置いてある古ぼけたランプだ。 そいつを持って帰ってくるのだ。 とアフリーキーは言いました。 そのランプを取ってきたら、財宝は欲しいだけもらえるんだね。 これで母さんと楽に暮らせるぞ。 アフリーキーから困った時のためにお守りの指輪を受け取ると、アラジンは早速階段を下りました。 3つの部屋を通り過ぎると、 バルコニーの真ん中にランプが置いてありました。 アラジンはランプを持ち、 財宝を掴み取るとポケットに入れ、階段を上ろうとしました。 その時、アフリーキーの大きな声がしました。 早くランプをよこせ! 何よりもランプが先だ! すぐにランプを渡せ! アラジンはアフリーキーの大声に震えました。 もしかしてこの男は、 僕を騙そうとしているのではないか? 階段を登らないで様子を見よう。 するとアフリーキーは諦め、蓋に魔法をかけるとアラジンを暗い地下に閉じ込め、モロッコに帰っていきました。 真っ暗な中に残されたアラジンは困り果て、神に祈りました。 そして偶然、アフリーキーから預かった指輪をこすってしまったのです。 すると、 ご主人様のお呼びですか。 私は魔人です。 小さな男が飛び出して言いました。 お願いだ。 早くこの暗闇から出してくれ。 指輪の魔人にお願いすると、外へ出ることができました。 よし、ランプをきれいに磨いて市場で売って、そのお金でごちそうを買うことにしよう。 アラジンはランプを売るために磨き始めました。 すると、 ご主人様、何かご用でしょうか? 突然、ランプの中から煙と一緒に大きな魔王が出てきました。 私はランプに住む大魔王です。 ご主人様の命令なら何でもお聞きします。 アラジンは腰を抜かすほど驚きました。 そうか! それじゃあたくさんのご馳走が食べたい! すぐに出してくれ! アラジンは、物は試しとばかり、その大魔王に命令しました。 すると、アラジンの目の前に見たこともない山盛りのご馳走が現れました。 これはすごいぞ! とアラジンは大喜びです。 アラジンは大魔王にたくさんの財宝を用意させ、商売を始めました。 そんなある日、アラジンは都の王女バドラ姫の行列を見て、姫に一目惚れしてしまいました。 そこでアラジンは大魔王に願い事をしました。 美しい姫と結婚したいんだ! エメラルド、サファイア、ルビーが山ほど欲しい! それを持ってお城へ行って、姫との結婚を許してもらうんだ! アラジンがお城に行きました。 王様、バドラ姫との結婚をどうか許してください。 王様は宝石を見て驚きましたが、姫との結婚を許すわけにいかないと言いました。 さらに山盛りの真珠を届けるようにと命令しました。 アラジンは大魔王に山盛りの真珠を届けるよう頼み、王様にもう一度結婚の許しをもらおうとしました。 よろしい、アラジン。 お前は約束を果たした。 明日は結婚式だ。 アラジンは大魔王に姫のためのお城を作らせました。 宝石を散りばめた素晴らしいお城です。 姫はアラジンが大好きになり、二人は仲良く暮らしました。 町ではアラジンの噂で持ちきりです。 貧しい人、病気の人を助け、神への礼拝も欠かさず、何よりお城を一晩で建てたということが評判でした。 この噂を聞いたアフリーキーは、アラジンの思いがけない出世を妬み、ランプを取り返すことにしました。 アフリーキーはアラジンが留守の時にお城に行き、お姫様に言いました。 お姫様、このお城に薄汚れた古いランプがあるはずです。 私の持ってまいりました、 美しく新しいランプとお取り換えいたします。 すると、何も知らない姫は、 アラジンの古ぼけた魔法のランプを、アフリーキーの新しいランプと取り換えてしまいました。 まんまと魔法のランプを奪い返したアフリーキーは、 早速ランプをこすりました。 姫とこの城をわしの住んでいるモロッコまで運べ。 美しい姫もこの城もすべてわしのものじゃ。 アラジンが帰ってくるとお城は消え、姫もいませんでした。 アラジンは指輪の魔人を呼び出して、お城を取り戻せと命令しました。 でも指輪の魔人は、私にはそれほどの魔力はございません。 と言うばかりなので、アラジンは魔人と一緒に空を飛んでモロッコに向かいました。 そして夜のうちにお城に忍び込みました。 アラジン、助けに来てくれたのね。 もう少しでアフリーキーの妻にされるところでした。 二人は喜んで手を取り合いました。 でも、急いでアフリーキーから魔法のランプを取り返さなくてはなりません。 アラジンはアフリーキーの酒の中にたっぷりと眠り薬を入れ、アフリーキーが眠っている間に魔法のランプを取り返しました。 アラジンはランプから大魔王を呼び出します。 アフリーキーを、二度と戻ってこられない、猛獣のいる山のてっぺんに置き去りにしろ。 それが済んだら、このお城を元の長安の都に戻してほしい。 かしこまりました、ご主人様。 この大魔王にお任せを。 王様、姫を連れ戻しました。 アフリーキーという魔術使いが、姫と城をモロッコに持ち去っていたのです。 悪巧みをしていたアフリーキーを退治してきました。 王様は大喜びで祝杯をあげ、アラジンとバドラ姫はいつまでも幸せに暮らしました。 やがてアラジンは長安の王に、姫は妃になったということです。 登録してね!