日本航空とドコモは、6月25日に「JALモバイルpowered by ahamo」のサービスを開始する。 日本航空は、IIJmioをホワイトレーベル的に活用し、JALモバイルを展開しているが、そこにドコモのahamoが加わる形だ。 ユーザーは、選択肢が豊富なIIJmio回線かシンプルで海外でのデータローミングも無料なドコモ回線のahamoを選択できるようになる。 これまでも、MVNOが経済圏を持つ企業に対し、ホワイトレーベルとして回線を提供する事例はあったが、自社でネットワークを持つMNOのドコモが同様の形態で回線を提供するのは異例といっていい。 ドコモ自身も、dポイントを軸にした経済圏を拡大しているからだ。 JALモバイルやドコモにとって重要な一手になるのはもちろん、業界全体に与えるインパクトも大きい。 その詳細を解説する。 JALモバイルは、2025年に誕生したサービス。 IIJmioの回線をそのまま使い、システムだけを連携させるホワイトレーベルの仕組みを活用し、人気を博している。 IIJmioの契約獲得にも効果を発揮しており、IIJの決算説明会などではたびたび好調だと語られてきた。 こうした背景もあり、JALモバイルpowered by ahamoが驚きをもって受け止められた。 サービスの建てつけは、JALモバイルpowered by IIJmioとほぼ同じ。 ホワイトレーベル的にドコモが回線を提供し、日本航空側と連携することで、毎月のマイルや上級会員になるために必要なLife Statusポイントが入手できる(LSPは新規、MNPのみ)。 また、JALモバイルの特徴だった“マイルの使いやすさ”も踏襲されており、1年に1回、「どこかにマイル」が通常よりも5500マイル少ない1500マイルで利用可能になる。 JALモバイルpowered by ahamoで毎月たまるマイルは、一律125マイル。 1年間回線を使い、マイルをためていけば、1回どこかにマイルに交換できる仕組みだ。 システム的にはahamoのオプションとして提供されるため、契約時に2200円の料金はかかるが、それ以外の料金はahamoと同じ。 「大盛りオプション」や「ポイ活オプション」といったオプションも、そのまま利用できる。 日本航空のマイレージ・ライフスタイル事業本部長を務める執行役員の西田真吾氏が「契約しないともったいないプランであると申し上げたい」と語ったのは、そのためだ。 日本航空は、コロナ禍などで航空需要が急減したことを契機に、非航空事業に注力している。 マイルを軸にしながらユーザーをつなぎ止めつつ、収益の多様化を図る生き残り策だ。 JALモバイルも、その一環としてスタートしている。 では、なぜ好調だったJALモバイルにahamoを新たに追加するのか。 西田氏は、ユーザーから「海外でも使いたいというお声を多数ちょうだいしていた」と話す。 実際、筆者もJALモバイルの担当者にインタビューした際に、「海外ローミングを提供しないのか」との質問をぶつけていた。 国際線も手掛ける日本航空のユーザーと海外ローミングは、非常に相性がいいことは間違いない。 ただ、加入者管理機能を持たないライトMVNOだと、国際ローミングを提供するのは難しい。 JALモバイルでは、IIJの海外eSIMを活用する形で「JALモバイル海外eSIM」を6月から提供しているが、ahamoであれば、普段使っている回線そのままでローミングが可能。 しかも追加料金もかからない。 小容量プランを選べるIIJmio回線とは、料金面での差別化もできる。 また、西田氏によると、「MNOのサービスを使いたい」という声もあったという。 通信品質面で、接続点のボトルネックがないMNOの回線を選びたいニーズもあったことがうかがえる。 こうした事情で、ahamoに白羽の矢が立った。 日本航空とドコモは、これまで、回線以外でも協業をしてきた。 2014年には、dポイント(当時はドコモポイント)とJALマイルの相互連携を開始。 2020年には、住信SBIネット銀行と共同で「JAL NEOBANK」のサービスを導入している。 住信SBIネット銀行はその後ドコモ傘下に入り、8月にはドコモSMTBネット銀行に社名を変更する予定だ。 こうした縁もあり、ドコモとの提携に至った。