忙しい毎日を送る人は、食事が不規則になったり栄養が偏ったりしてしまい、不摂生になりがちです。 腎臓に負担をかけないためには、1日の塩分摂取量を6グラム未満に抑える必要がありますが、それを守ることは容易ではありません。 腎臓の機能が悪化して慢性腎臓病(CKD)になると、人工透析が必要になったり心臓病などの発症リスクが高くなったりし、命にも関わります。 そうなるのを未然に防ぐには、どのような生活を送ればいいのでしょうか。 無理なく健康に過ごすコツを、腎臓内科医の三崎太郎さんと辻孝之さんがお伝えします。 食べ過ぎや運動不足で体重が増えると、一般的にLDLコレステロールの数値も上がります。 腎臓の機能が低下した人がそうなると、心臓病を発症するリスクがより高くなります。 痩せればいいのですが、体重が落ちてもLDLコレステロール値はなかなか下がりません。 どうすればよいのでしょうか。 53歳の西野真悟さん(仮名)は、腎臓の機能が低下して私の外来に通っている患者さんです。 週3回ジョギングをしており、2025年4月時点でBMIは22.6と標準でした。 しかし、4か月後には体重が増えて肥満とされる25に近い数値となってしまいました。 毎日、晩酌を欠かさず、夜中にクリームたっぷりのスイーツを食べることもあったと言います。 この4か月間は食欲が増し、ジョギングの回数も減ってしまったそうです。 LDLコレステロールも4月の123mg/dLから150mg/dL(正常値140mg/dL未満)に上がりました。 LDLコレステロールは、いわゆる「悪玉」と呼ばれるものです。 増えすぎると血管の内側にたまって動脈硬化を進め、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞などの発症リスクを高めます。 慢性腎臓病の患者ではさらにリスクが高まります。 LDLコレステロールの数値を下げなければいけないと私は考え、「ゆるい」提案をしました。 ・週3回のジョギングを再開する ・食事は腹8分目にして野菜を多めにする ・食事は揚げ物を控えて刺身などの和食を意識する ・平日のスイーツは控える ・週1回は好きな物を食べてよい ・スナック菓子は大袋から食べきりサイズの小袋にする ・飲み会は月2回までとする ・自宅でのビールは週3回、350ml1缶にし、他の日はノンアルコールビールにする ・毎朝体重計に乗り記録する このうち、できるものに取り組んでみてはと話しました。 西野さんは真面目な人ですが、全部はできませんでした。 しかし、ジョギングと毎朝、体重計に乗って記録をつけることは継続し、その年の12月にBMIは23と標準になりました。 ただ、150mg/dLだったLDLコレステロール値は5mg/dL下がっただけでした。