「この機会に、解説させてください。 電源タップの交換目安は、35年と推奨されています」ーーパナソニックのくらし・家電アカウントによるXへの投稿が「早すぎるのではないか?」などと物議を醸している。 そこで、パナソニックが推奨している団体として名前を挙げていた日本配線システム工業会に話を聞いた。 日本配線システム工業会は、パナソニックエレクトリックワークス社をはじめ、旭電器工業、エレコムなど配線器具やスイッチのメーカーが多く加盟している業界団体。 1954年に設立され、70年代には住宅用分電盤の認定制度(HPマーク)制定を主導した歴史ある工業会でもある。 同工業会のWebサイトを見ると、確かに「テーブルタップの交換の目安は35年です」とあったので、質問してみた。 ーー交換目安が35年というと、樹脂や金属の経年劣化にしては早い気がします。 どういった環境や使われ方、リスクを想定した数字なのでしょうか。 もし関連する統計データや実験結果、論文等があるのであれば教えてください 日本配線システム工業会:弊工業会の会員のメーカーが販売しているものについて、販売後35年が経過すると「熱くなった」「焦げた」「断線した」「プラグ栓刃(せんば)が曲がった」などの市場トラブルが増加するという報告があって、テーブルタップの交換の目安は35年を推奨しています。 特に、統計データや実験結果、論文等はございません。 コードを折り曲げたり、踏みつけたり、引っ張ったり、水をかけたりするなど使用状況によっては、短い期間でも交換が必要な場合もあります。 ですので、定期的に掃除・点検を行い、異常が見つかったら速やかに交換することをお勧めしています。 ーー例えば、使用し始めて5年が経過したテーブルタップがあったとして、日本配線システム工業会のWebサイト内にある「安全の点検チェック!」 で異常がなかった場合でも交換するべきでしょうか? 日本配線システム工業会:5年経過したテーブルタップであっても、点検を行い、異常がなければ、すぐさま交換する必要はございません 35年は買い替え時期の目安というより、製品をチェックする時期の目安と捉えても良さそうだ。 一方、「使用状況によっては、短い期間でも交換が必要な場合もある」という指摘は重要だ。 消防庁が2024年に公開した「住宅における電気火災に係る防火安全対策検討会報告書」によると、テーブルタップからの出火原因は「維持管理不良」が49%、「不適切な使用」が29%。 このため「テーブルタップからの出火の約8割は使用者に起因する」としている。 使用者次第では、購入して日の浅いテーブルタップでも起こり得るわけだ。 08年1月に神奈川県で発生した火災では、1つのテーブルタップにファンヒーターと電気毛布2枚を接続し、さらにコードを束ねて使用していた。 製品に表示されている消費電力の合計をオーバーし、さらに重なったコードが加熱して出火に至ったと推定されている。 この他にも、延長コードがたんすの下敷きになって半断線状態になりショートして発火した事例や、コンセントと電源コードの間にたまったホコリや湿気でトラッキング現象が生じて発火した事例などもある。 中には経年劣化が原因とされる事例もあるが、実際は何年使用していたか分からないケースも多い。