皆さんこんにちは。 えー、私は今では大学で英語教育関連の授業を受け持ってあの講義してますけれども、英語学習では自分自身非常に苦労してきました。 えー、神奈川県小田原で生まれ育ったんですけれども、公立中学校から英語授業を始めて、当時は文法訳読式のかなり伝統的なね、先生は日本語しか話さないような授業をずっと受けてきて、それを高校まで受けてきて、大学に入って初めて英語のコミュニケーションというものに触れました。 特に大学四年生の時に、えー、念願の夢がかなって、アメリカ長期留学ということがすることができました。 えー、その時からですね、非常に本当の英語学習の苦労が始まりました。 相手の言ってることが思ったよりもわからない、英語授業を講義聞くのもすごく大変だと。 毎日眠くてしょうがなかった。 えー、また自分自身が英語をなんか話しても、相手から返答が来る時はよく「は?」とかね、「What did you say?」 みたいな形で聞き返される。 何が通じないんだろうかとかね、本当にあの苦労っていうかね、もう諦めたくなった気持ちにも何度もなりました。 えー、今日はね、その中で、あの、その時のエピソードのまず一つをね、ちょっと紹介したいと思います。 はい。 まあエピス-エピソードとしてね、まあ一つ、あの場面状況のセッティングとしては、あの、僕が女の子とこう話してたわけですね。 その女の子と話し終わってから、「バーイ」って言って、それを見てたアメリカ人の友人がいたわけでしょ。 アメリカ人の友人がそれを僕にパッと聞いてきたのね。 「Who is the woman you're just talking with? Who is the woman you're just talking with?」 今話してたの誰? ってね。 そう言われたので、今話してたのはって、頭の中にね、こういろいろ文法構造がいろいろ散らばってたんで、それを合わせて、これは難しいやつを使ってみようと思って、ちょっと挑戦してね、関係代名詞、言いました。 「She is the woman who I live with。」 OK? 完璧だったんで。 かなり気をつけました。 「She is the woman who I live with。」 最後のwithのね、前置詞、これ忘れがちなんですよ。 で、ここまで言えた時点で結構ね、自分としては言えたっていうね、満足感があった。 だからその向こうからね、こういう返答が返ってくるとは思いもよらなかった。 何て言ったと思います? 彼が言ってきたのは「Oh, come on. Don't hide it from me. Don't hide it.」 え、隠すなよ。 隠してないじゃん。 今言ったじゃんってね。 え? 何がいけなかったんでしょう。 もう一度「Who is the woman you're just talking with?」 「She is the woman who I live with。」 完璧ですよね。 「Don't hide it from me。」 あの時わかんなかった-- わかんなかったんですね。 なんでそれが隠すということになっているのかというね。 それが初めて、ああ、そういうことだったのかとわかったのは、実は大学院に行って、言語学のいろんなクラスを取ってね、その時にまあ談話クラスというのがあったんですけども、そこでいわゆる会話にはいろんなルールがあるけども、暗黙のルールの一つとしてこういうのがありますと。 つまり必要以上の言葉は普通は使わないんですよと。 「Don't be wordy. Don't use more words than necessary.」ってね。 これ日本語でも実はそうなんですね。 で、もし必要以上の単語を使って、大きな色々なことを言うとすると、それだけ何らかの新しいメッセージが加されるよと、足されるよってことになってるんですね。 この場合っていうのは日本語でもそうかもしれませんけれども、え、今のあの「誰?」って言われた時に、「彼女」とかね、あの、あの「お母さん」とかね、「お姉さん」とか、いろいろね、「She could be my wife.」とか、いろいろ、まあいろいろ、「She's my wife.」とかいろいろ言えるわけですよね。 ただ、その場合っていうのは、まあ一言で、一言、二言で言えるのを「She is the woman who I live with。」 八語使ってると。 つまり八語使っているということは、その分だけ何らかのメッセージがあるに違いないというふうに深読みされるわけですね。 つまり、そこから「こいつ何か隠している、怪しい。 Come on. Don't hide it from me.」ということになったというね。 はい。 えー、そしたらなんでそういうふうにね、わざわざ関係代名詞を使ったのかというと、それにはまあ理由があります。 それは本当に中学、高校まで遡った上で、僕はこのように関係代名詞を教わりました。 まあ現在でも典型的な教え方、学び方であります。 まず二つのセンテンスがあります。 ね、一つが「I have a friend。」 もう一つが「He lives in Tokyo。」 これ二つを合わせるとどうなりますか? 「I have a friend who lives in Tokyo.」 ですよね。 これ生徒がこう言ったね。 そしたら先生としては「Repeat after me. I have a friend who lives in Tokyo.」 みんなで言ってね。 「OK, good.」ということになるわけですね。 えー、でも、え、この文ってどんな文脈で実際使うんでしょうかと。 ただ二つの文章を足して言えましたというだけでいいんでしょうかと。 また、実際にね、あの会話の中ではどのように使われるんでしょうかということですね。 えー、それを考えた時に、会話の中でね、まあ今も応用言語学のクラスとかをして、教えてますけれども、生徒に聞きました。 えー、どんな文章がね、作れますか? どんなね、会話の中で自然な感じで使えますか? って言った時に、いろんないい例をもらいました。 その一つを紹介したいと思います。 えー、まず、A君は東京の大学に合格しました。 そのことをB君に伝えていますと。 で、A君 says, "I'm going to go to university in Tokyo from April. "。で、B君 says, "Congratulations. Oh, that sounds great. "。OK? で、A君 says, "Oh, OK. But you know, I don't know what it's like to live in a big city like that. I'm nervous. "。そしたらB君が "I see what you mean. I have a friend who lives in Tokyo. If you like, I can contact him to see if he can help you. "。"Oh, that would be wonderful. Could you do that for me? "。ちょっと英語長くなりましたけどもね。 なんか自然な会話の中に入ったと思いません? ね、今の感覚の中だと「I have a friend who lives in Tokyo.」 これ関係代名詞制限用法という風に言われるんだけですけれども、制限用法、何が制限しているの? 何制限っていうの? 「I have a friend.」って言っただけだと、「私は友達います。」 で、「So what?」ということですよね。 I have a friend who lives in Tokyoと言うと、東京に行くんだけど緊張しちゃうな。 僕、東京にいる友達がいるっていうと、初めて関係代名詞の制限用法が生きてくるわけですね。 これ考えてみると、僕が習った時にっていうのは、何て言うのかな、お魚が泳いでいるのを取ってきて、まな板の上でそれを分解していろいろ見て、ああ、こうなってるんだなって言って、それをリピートしてたみたいな。 ただ、実際にこれ本当に使うような、使えるようにするためには、泳いでいる姿っていうのは見なきゃいけない。 このダイアログの中とかでね、自然にどのように使われているかっていうのを触れなきゃいけないのかなと。 僕の専門は言語習得、第二言語習得ですけれども、第二言語習得研究の中で言われていることがあります。 言語習得には三つの大事なことがあると。 これ、母語習得でも外国語習得でも同じです。 一つが形式ですね。 文法だとか語彙、発音だとかっていうのは当然重要になってくると。 それを授業とかでは、学習では集中して勉強するわけです。 でもそれだけじゃないわけですね。 他には意味が重要ですね。 Howが形式ならば、意味としてwhatが大事になってくる。 話題、テーマ、メッセージですよね。 それがなかったら本当に意味がなくなってしまう。 Meaninglessになってしまうってね。 もう一つあります。 機能です。 機能というと場面とか状況とか目的、whenだったとかwhereということですよね。 これがないとどういう状況で話している、言っているということが全くわからないから、意味が定まらない。 だから形式の意味がなくなってなくなってきてしまうということになります。 これ考えてみると、日常の我々の言葉を使う、日本語でもそうですけども、言葉を使うというのは基本的にこれ全部が重なってできているというふうになってますよね。 今、私がこのような形で話しているというのは、いろんな文法だとか語彙を使ってますけれども、こういう状況の中で皆さんに語りたいことがある、それを訴えているんだよということで話していると。 ただ形式だけを使っているわけではないわけですよね。 同じように聞く側としても、大体こういう状況の中で誰々が話しているということをわかった上で聞いているわけですよね。 例えば空港に行った時にアナウンスが流れます。 アナウンスが流れた時に、その時になんだろうって聞いてる時に、すぐにいろいろわかってるわけですね。 おそらく飛行機のことだろう、おそらくゲートのことだろう、遅れてるのかな、どうなのかな、そういう情報について言われてるってことがわかってる状況で、形式を聞いて意味がわかるということになってます。 聞くとか、聞く場合もそうですけど、読むとか書くということもそうですね。 読むということも、例えば新聞を読むということになった時に、新聞を読んでる、これは経済欄だ、これは政治欄だっていった時に、わかった上である程度読んでるんで予測も利くと。 同じように雑誌でもYOUTUBEでもそうだと思います。 また、書く時もそうですよね。 僕も何かを書く時には、専門家に書いているのか、それとも英語教師に書いているのか、それとも一般の人に書いているのかによって書き方随分変わってきます。 やはり機能とかね、そのいつ、誰にとかいうことを考えないと、意味、形式というのが定まってこないということになります。 はい、ここでちょっとクイズになります。 よろしいですか。 はい、簡単なクイズですけどもね。 次の場面でふさわしい答え方はどういうふうになるでしょうかというのを考えてください。 例えば、一つ目、大都市の中で暗い夜道を歩いています。 その時に向こうの方から大きなね、黒ずくめの人がやってきました。 その人がね、こう来た時に言ってきます。 Do you have any money? さて、どのように答えるでしょうか。 どうですか? これ、学校文法的に言うと、多分ね、Yes, I do. 本当にそれでいいですか? と。 No, I don't.No, I don't. で安全ですか? 大丈夫ですか? 僕だったらひょっとしたらDo you have any moneyって言った時にお財布を取り出してSure, take it. って言って渡してしまってね、その場を逃れるということになるのかなということですよね。 まあ、今のが一つ。 じゃあ別の場面設定として、家庭の状況でね、ティーンエイジャーの子供が「じゃあ行ってきます」ってね、I'm leaving. ってこういうふうに言ってると。 その時にお母さんが言います。 Do you have any money? さて、どのように答えるでしょうか。 どうです? まあ、この時にYes, I do. 本当にいいんですか? Yes, I do. って。 No, I don't. ちょっとぶっきらぼうじゃないですか。 僕だったならばAnd I need a little more, mom. みたいな。 言うかな。 ちょっと足りないんだけどみたいな。 つまりその状況ではそれが一番いいのかなと。 これ逆にしてみたらどうですか? この時にね、Do you have any money? ってお母さんに言われた時に、Sure, take it. おかしいですよね。 しかも怖い人がやってきてDo you have any money? って。 I need a little more. 違うわけですよ。 でもよく考えてみれば一番最初のはGive me money. という意味で、次のシナリオでは I give you money. 意味が全く逆になるわけですね。 つまり場面状況によって意味が変わってくると。 ただ Do you have money? Any money? っていうのは、ただの Do you? でね、Yes, No questionだけの問題ではないということで。 だからコンテクストが大事ですよということになります。 はい、これ学習上ね、英文法、じゃあどういうふうに勉強したらいいんですか? って考えた時に、いろんな勉強の仕方があります。 その二つの代表的な勉強の仕方として、まず一つ目、説明主体の学び方というのがあります。 これはかなり伝統的な学び方ですね。 例えば不定詞、to不定詞というふうな必ず教えられますけども、その場合は不定詞の名詞的用法。 は、えー、toプラス動詞の原形ということで、何々することの意味で名詞のように働き、文中で主語、目的語、補語になる用法となります。 分かりましたか? はい。 例文としてはIlike to listen to music. 分かりました? Ilike to listen to music. という感じでrepeatって。 その後に大体ドリルがあったり、練習問題があったりする感じですね。 はい。 どうです? これで本当に英語がうまくなるでしょうか? もう一つ別のやり方があります。 別のやり方はインプット主体の学び方、例文主体の学び方ということで、例えばですよ。 Right now I'm getting hungry. I missed my lunch. I'm getting hungry. I want to eat something. I want to eat something light. I want to eat a hotdog. I want to eat a hamburger. I'm getting thirsty, too. I want to drink something. I want to drink coke. I need some sugar, so I want to drink a coke. After this I want to take a break. And I want to go out drinking. みたいなね。 いろんなI want toみたいな感じでto to toっていうのをいっぱい色々使ったりする。 で、こういうふうなことを授業でやったとしたらば、色々言った後で、この、まあ、それをね、板書して並べて生徒に示した時に、まあ、これ何かパターン見えませんか? って。 パターンとしてはtoなんとかwant toなんとかですよねって。 じゃあどういう意味でしょう? 生徒の方から何々することっていう意味じゃないですか。 Good. That's what it means. 僕の方から説明する必要はあまりなくなるわけですよね。 生徒の方からパターンが見えてくると。 言語習得で何が重要かというと、これやっぱり例文インプットが主体であって、それが主役じゃなきゃいけないわけですね。 じゃあ説明は何かっていうと、特に外国語学習、思春期を超えたぐらいの学習となると、やはり説明がある程度ないと、なかなか不安であったり、よく分からなかったりすることもある。 だから、それを補足的に付け加えてあげて、ああ、なるほどなというふうにホッとさせてあげるというのが大事になるのかなと思います。 でも、あくまでも説明は脇役で、主役は英語自身じゃなきゃいけない。 英語のインプットじゃなきゃいけない。 これ逆にしてしまうと、何か言語習得ではなくて、何かこうルールを覚えてそれを当てはめて言いますよっていうだけで、なかなか自然な会話とかができるようにならないことになるのかなと思います。 はい。 最後に重要ポイントのまとめです。 えー、一つ目、一つ目が言葉は文脈の中で初めて意味を持つということになります。 文脈がないと、いくら語彙や文法を知っていても、文の意味を理解することはなかなか難しいと。 簡単なね。 Do you have any money? とかね。 そういうふうな形だけでも、なかなか文脈ないとわからないわけです。 逆に文脈があると、いくらそこに知らない単語だとか文法があったとしても、結構推測が可能になってくるんですよと。 これ留学ね、したことがあったりすると、ホストファミリーと話したりすると、何か知らないんだけど、なんとなくわかるっていう状況がある。 なんでわかるのか。 文脈があるわけですね。 人の表情が見えるわけですね。 ジェスチャーとかもしてくれるわけですね。 それが非常に重要になってくるんだよということです。 はい。 近年の英語授業とかでよく最近言われます。 アウトプット大事ですね。 アウトプット。 今までの日本の英語教育は説明とかインプットが多かったけれども、アウトプットが少ない。 だからどんどんどんどん発話して、どんどんどんどんリピートしなきゃいけないんだっていうふうにね、やられると。 まあ確かにそういう部分もしっかりあります。 ただ考えていただきたいのは、アウトプットだけではありません。 もともとインプットを学ぶ時に、じゃあどこまでそれが形式、意味、機能が結びつくような形で生き生きとした姿を見せてもらっているのか、生き生きとした形で英語に触れているのかというのが非常に重要になります。 はい。 形式、意味、機能、インプット主体の学び方、ぜひともね、皆さんでぜひ試していただきたいと思います。 ありがとうございました。 Good luck.