乳がんは誰にでも起こり得る病気ですが、実はリスクが高い人にはいくつかの共通点があります。 年齢や体質だけでなく、検診で初めて分かるリスク要因も少なくありません。 そこで、検診結果の見方と注意点を、登戸ブレストケアクリニックの土屋先生に解説してもらいました。 【1分動画でわかる】乳がんリスクが高い人の特徴 乳がんリスクが高い人とは? 編集部: 乳がんになりやすい人には、どのような特徴がありますか? 土屋先生: 乳がんになる可能性は誰にでもありますが、特に乳がんの発症リスクとの関連が確実といわれているのは、血縁者に乳がん患者がいる人と、初潮が早く閉経が遅い人、出産・授乳経験がないか初産年齢が高い人です。 これは、乳がんの発生・増殖には女性ホルモンが関係しており、エストロゲンにさらされる期間が長いほど、乳がんになるリスクが高くなるからです。 加えて、閉経後の肥満、飲酒習慣、喫煙、糖尿病などもリスクを高める要因とされています。 一方で、運動は乳がんの発症リスクを下げることがほぼ確実といわれています。 編集部: 年齢によって発症率は変わるのでしょうか? 土屋先生: 乳がんは日本人女性が最も多くかかるがんで、30代後半から増え始め、40代後半60代に発症のピークがあります。 よって4060代の乳がん検診は特に大事になります。 ただし、20代30代前半の若年層でも発症することがあるため、「若いから大丈夫」とは言い切れません。 自身の年齢に合わせて乳房と向き合い、乳がん検診を受けることが重要です。 編集部: 遺伝との関係について教えてください。 土屋先生: 生まれつき特定の遺伝子に変異があることで発症する乳がんを「遺伝性乳がん」と呼びます。 しかし、乳がん全体のうち、遺伝が明らかに関与しているのは510%程度とされており、ほとんどの乳がんは遺伝と直接的な関係はありません。 多くの場合、環境や生活習慣、ホルモンの影響などが複合的に関与して発症します。 家族に乳がんの人がいるからといって必ずしも発症するわけではないので、過度に心配しすぎる必要はありません。 ただし、母親や姉妹など近い血縁者に乳がんの人がいる場合や、若くして乳がんを発症した家族がいる場合はリスクが高くなります。 該当する人は、若いうちからリスクを意識した行動が大切です。 編集部: 男性でも乳がんになることはありますか? 土屋先生: 非常にまれですが、男性も乳がんになる可能性があります。 最も多いサインは「乳房のしこり」であり、乳頭からの分泌物や痛みを伴うこともあります。 気になる症状があれば、性別に関係なく早めの受診が大切です。 編集部: 男性に乳房や乳頭の異常を感じたら、何科を受診すればよいでしょうか? 土屋先生: まずは乳腺外科に相談してほしいと思います。 実際、「乳房が膨らんできた気がする」「コリっとしたものがある」などの理由で受診する男性も少なくありません。