奈良県は、近畿地方の真ん中あたりにある県で、日本の歴史がはじまった場所の一つです。 かつて都があったことから、古いお寺や神社がたくさんあり、今でも日本古来の文化を感じられる場所が多く残っています。 奈良県の面積は約3,691平方キロメートルで、全国では40番目の広さです。 面積の広さ自体は日本の都道府県の中でも下から数えた方が早い県ですが、人口はおよそ127万人と全国で27位くらいです。 県の北側に広がる「奈良盆地」に多くの人が住んでいて、南側には山や森が広がる自然の多い地域があります。 自然と気候 奈良県の気候は、県北部の盆地では暑さと寒さがはっきりしており、南部では雨が多くしっとりとした空気が流れています。 春には桜、夏にはまぶしい新緑、秋には紅葉など季節ごとの美しい自然が見どころです。 とくに桜の名所・吉野山は春になると一目で千本の桜が見られると言われ、「一目千本」という言葉でも有名です。 古くから多くの人に愛されてきた桜の名所です。 観光名所 ●東大寺と奈良公園 奈良といえばまず有名なのが東大寺の大仏さまです。 とても大きな仏像で、坐高はなんと約15メートルもあります。 また東大寺には「大仏の鼻の穴」と同じ大きさの穴が開いている柱があり、この柱の穴を通り抜けると、「無病息災」「知恵を授かる」といったご利益があると言われていて、とくに子どもたちや観光客に人気です。 この東大寺は、奈良時代に建てられたお寺で、1998年に「古都奈良の文化財」としてユネスコ世界文化遺産にも登録されています。 東大寺のまわりには奈良公園が広がっていて、そこではたくさんの鹿が自由に歩いています。 鹿せんべいをあげたり、写真を撮ったりと子どもから大人まで楽しめる場所です。 法隆寺 世界最古の木造建築として知られているお寺で、607年(飛鳥時代)に推古天皇と聖徳太子によって建てられました。 長い歴史の中で大切に守られてきた建物や仏像がたくさんあり、日本の古い文化を学ぶことができます。「 法隆寺地域の仏教建造物」として、1993年に日本初のユネスコ世界文化遺産に登録されました。 春日大社 768年(奈良時代)に、称徳天皇の勅命により御本殿が造営されました。 神さまが「白い鹿」に乗ってやってきたという伝説があるため、今でも春日大社では鹿が神さまの使いとして大切にされています。 奈良公園にたくさんの鹿がいるのも、この春日大社の影響です。 春日大社には、約3,000基もの石燈籠や釣燈籠があり、「万燈籠」という行事が有名です。 毎年2月と8月に全ての燈籠に火がともされ、とても幻想的な光景になります。 ●吉野山 吉野山は、奈良県の中南部、吉野町にある山で、日本一の桜の名所として知られています。 春になると山のふもとから山頂にかけて約3万本もの桜が順番に咲きほこり、まるで山全体がピンク色に染まるような絶景が見られます。 というのも「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と標高によって4つのエリアに分かれていて、それぞれのエリアで桜が咲く時期が少しずつずれるため、長い期間お花見が楽しめるのです。 また春の桜だけでなく、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の美しい風景が楽しめます。 山道を歩く「ハイキングコース」も整備されていて、自然の中をゆったり歩くのが人気です。 名物・特産品 ●柿 奈良県は柿の生産が盛んな県です。 特に「刀根早生」や「富有柿」という種類が人気で、秋になると甘くてジューシーな柿がならびます。 ●奈良漬 酒粕でつけた白うりやキュウリなどの漬物で、独特の風味とコクが特徴です。 古くから伝わる保存食で、ごはんにもお酒のおつまみにも合う一品です。 奈良漬は奈良時代から作られているそうです。 奈良は昔からお酒づくりも盛んだったため、酒粕が手に入りやすく、室町時代以降には酒粕を使った漬物が発達していったと考えられています。 江戸時代になると「奈良で作られた漬物」という意味で「奈良漬」と呼ばれるようになり、そのまま全国に広まりました。 ●柿の葉寿司 鯖や鮭のお寿司を柿の葉で包んだ奈良ならではの郷土料理です。 葉の香りがお寿司にしみこんで、さっぱりとした味わいになります。 柿は奈良の古くからの名産であるため、柿の葉が手に入りやすかったことに加え、柿の葉には殺菌作用があるため、冷蔵庫がない時代に魚のお寿司を長持ちさせる効果もありました。 今ではお土産にも喜ばれています。 歴史 奈良県には、今から1300年ほど前に「平城京」という都が置かれ、日本の政治や文化の中心となりました。 また、それより前にも「飛鳥」や「藤原京」などの都が作られており、奈良は日本の古代国家が育った場所ともいえます。 これらの時代は日本の国としての始まりを学ぶ上でとても大切な時代です。 さらに古墳時代のお墓も多く残っていて、「高松塚古墳」「石舞台古墳」などの古墳が有名です。 これらの古墳からは昔の人々の暮らしや信仰を知る手がかりが見つかっています。 人と文化 奈良の人々は、昔から脈々と受け継がれる伝統や行事を大切にしながら生活しています。 たとえば東大寺で行われる「お水取り」は、毎年3月に開かれる伝統行事で、火のついたたいまつを振り回す光景はとても迫力があります。 また、「ならまち」と呼ばれる古い町並みも残っていて、昔ながらの家やお店が並び、歩いているだけで歴史を感じることができます。 奈良県は、日本のはじまりを感じることができる歴史と文化の宝庫です。 大きな大仏やたくさんの鹿、美しい桜や伝統的な食べ物など、見て・ふれて・食べて楽しい魅力がつまっています。 歴史にふれてみたい人は、ぜひ一度奈良県を訪れてみてください。