明るい声を世の中に。 ナカムララジオへようこそ。 先生、以前講座で言った大学の卒業生からメッセージが来ました。 彼女は今年大学を卒業して高校の先生になったんですって。 でも、想像していた以上に教えることが大変で、これから続けられるか不安だって言っています。 ああ、そう。 大変だよね。 特に一年目は授業準備で寝る暇もないでしょう。 先生も教師になりたての頃は大変だったんですか? 私が初めて教壇に立ったのは大学年で、母校の高校で教育実習した時なんだけど、その二週間平均時間ぐらいしか寝られなかったと思うよ。 へぇ、時間。 そんなに大変だったんですか。 世界史の授業だったんだけどね。 授業準備が終わらなくて。 歴史の授業なら覚えなきゃいけないことが多いんでしょうね。 まあ年号とか人名とか覚えることは確かに多いけど、実際にいろいろ考えたのは話し方や授業の展開だったね。 その相談してきた子は、生徒の前に立つと緊張しちゃうんですって。 先生はその頃どうでしたか? 緊張しましたか? それがね、全然しなかったのよ。 私は緊張しやすいタイプで、その頃やっていたテニスなんて、試合のたびに手が震えるほど緊張したんだけど、不思議と教える時は緊張しなかったんだよね。 え? どうして? テニスの試合では緊張したのに、授業の時はそうじゃなかったんですか? なんでかな。 楽しかったからかな。 授業の時は体中をアドレナリンが駆け巡る感じなんだよね。 逆にテニスの時は楽しいなんて思える余裕はなかったね。 キーワードは楽しさですね。 その楽しさはどこから来るんですか? 思い通りに授業が展開していくのが面白くてね。 自分がここは分かってほしいと思ったポイントで、生徒たちが分かったという表情をするのを見ると、よっしゃって気分だった。 ああ、その気持ち私も分かります。 でも思い通りに授業を展開していくって難しいですよね。 確かに簡単じゃないね。 若い頃は経験がないからひたすら予想していくしかないよね。 ほら、歴史って苦手に感じる子が多いでしょ。 ええ、私もそのうちの一人です。 年号を覚えろと言われただけで嫌になっちゃいます。 そんな子たちでも、ああ、楽しかったって思ってもらえるようにどうすればいいか、随分知恵を絞ったもんだよ。 そしてね、毎晩お風呂に入りながら次の日の授業の予行練習をしたんだよ。 へー。 お風呂の中で。 うん、一コマ分五十分間、最初から最後まで大声で練習したから、家族は閉口してたけどね。 お風呂は声が響いて結構気分がいいんだよ。 やっぱり練習が大切ですよね。 そう、最終的に自分を助けられるのは自分しかいないからね。 確かに先生は今も声を出して授業の予行練習してますね。 いい授業をするには準備が本当に必要だよ。 それは年間日本語教師をやっても同じこと。 先生は日本人だから母校を教えるわけでしょ? そんなに準備が必要ですか? 実はね、日本語教師になる前は、まさかこんなに日本語を教えるのが難しいとは思わなかったの。 それまで小学生から高校生まで国語を教えた経験があったから、なんとかなると思ってたんだけど、実際は全然違った。 どの点が一番難しく感じたんですか? 初めのうちは、生徒がなぜそんなミスをしたのかわからなくて困ったんだよね。 あー、ネイティブの先生ならではの悩みですね。 それはどうやって克服したんですか? 場数を踏むしかないね。 休み時間でも放課後でも、時間があれば教えてたね。 教えながら生徒をしっかり観察することで、なぜミスが発生するのか、追体験していったの。 日本人である中村先生でもこんなに大変なんですね。 教えるという作業は誰にとっても難しいと思うよ。 経験のない若い先生ならなおさらのこと。 でもね、頑張れば頑張っただけ、ちゃんと生徒は理解してくれるようになるから、それが楽しさや励みになるんだよね。 教える中で出会う小さな喜びを力に変えて前に進んでいくというわけですね。 そうだね。 明日はもっと上手に授業ができる。 それを信じて焦らずに頑張ってほしいな。 あ、もうすぐ月日、教師の日ですね。 日本には教師の日がないから、中国に来た時びっくりしたし、ありがとうって言われて感動したことは忘れられないな。 これからも研鑽を怠らず、学習者の皆さんの期待に応えられる教師でありたいと思います。 くんくん一緒に頑張っていこう。 はい、頑張っていきましょう。